秋

勝手にふるえてろの秋のレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.5
学校に続く階段に濡れたタヌキの足跡が残ってるようなド田舎の公立中学校で、恋に部活に一生懸命な奴らのことも文化とは程遠い場所にいた文化系の奴らのこともどちらでもなく恋の話と噂話ばかりしている奴らのことも安全ピンと消しゴムでピアスあけるヤンキーたちのことも全員大っ嫌いで絶対ここから遠いところに行ってやるって思ってた中学生のころ、ほんのちょっと分かり合えた気がした相手にその後何年も脳内で語りかけ続けた経験があるので寒気がする程ヨシカにシンクロしてしまった。ヨシカも二もめちゃくちゃ気持ち悪かった。あの頃友達になりたかったんなら今から友達になってって言えばいいじゃん。今から古代生物とか好きな音楽の話とかしようよ。ひとは誰かの思い出を成就させるために存在してるわけじゃないんだから、その人が今でも好きなんだったら認識されたたった今からちゃんと向き合うべきでしょ。美しい思い出を台無しにしてしまったんだから、なおさら今から作るべきでしょ。たまたまその時よく分からんスイッチで好きになってくれた別に欲しいとも思えない相手で手を打つ(?)ことはなんの解決にもならないじゃん。透明人間ゆえの"わたしごときが"と言いたくなる気持ちは本当に痛いほどわかるけれど、その言葉を本当に欲しいものを求める戦いを放棄するための免罪符として利用しておいて素直に欲しがれる人を馬鹿にする根性はどうにかしたほうがいい。なにが欲しいのかを自分で見極めろ。あの鬼のような恥を知らない行動力を然るべきところで使え。
文句ばかり言いましたがこんなに心を掻き乱されてしまったということはいい映画であることの証拠なんだと思います。
変に張り切って不正解ばかり叩き出してしまうタワーマンションでの集いのシーン、見ていて苦しかった、私じゃん。さっさと充分な金を稼いで誰からも離れた海か山で誰にも誤解されることなく静かに暮らしたい…ナゲット割って父ちゃん……。
秋