あらき

五人の斥候兵のあらきのレビュー・感想・評価

五人の斥候兵(1938年製作の映画)
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戦争昂揚映画

以下のシーンが興味深かった

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負傷兵が日本に送り返されるシーンがある。彼は帰国するべきだという周りの意見に反対し、まだ戦えると食い下がる。
しかし、隊長からは帰国するよう命令され、周囲の兵たちから同情されながら日本に帰るのである。
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普通、戦争に徴兵されて怪我したら帰れるから嬉しくなっちゃうと思う。当時の国民感情がわかる映画だった。まあ顰蹙を買うからパフォーマンスだった可能性もあるけど。

戦争映画の日本的性格として

「辛苦に耐えて自己犠牲を辞さない無名の日本人の肖像を描くことだけが、監督の主眼であり、我々はこうした道徳主義を、日本のファシズムに特有の美学であるとみなすことが出来る。
大部分の日本人にとって戦争とは脅威的な他者との対決ではなく、苦行を媒体として共同体への帰属意識を確認するための行為である。
日本の映画人たちは戦争の悲愴美を強調することで、国民に兵士たちへの感謝と共感を促し、国策に協力させようと考えていた。」
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