NeMo42

きみがくれた未来のNeMo42のレビュー・感想・評価

きみがくれた未来(2010年製作の映画)
3.0
弟を亡くし、それに囚われたままの兄の再生物語です。
いっけん安易なお涙頂戴かと思いますが、実際そのような側面を多く見せつつ、ちゃんと芯のある描写でした。
弟の幽霊が見えるというのが、主人公の癒やしとなりながらも後ろ暗い雰囲気があり、いつかは決別せねばという未来が見えてきます。
また演出面でもしっかりと気を配っていて、死者のためではなく、生者のために生きていくと決意した主人公と弟の別れのシーン、セリフの噛み合い方、視線の交わりなど、良心をもって作られていると思いました。
セブンティーン・アゲインと同じで、使い古されったジャンル物に真摯に取り組んだといった印象です。