ならさ

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉のならさのレビュー・感想・評価

5.0
ヘッセの言葉に、

戦場で人をたくさん殺めてきた人は勲章をもらって真の愛国者と呼ばれるけれど、
戦地に行かず、汗水流して食物を育て、日々を生きる人はそうは呼ばれない。

真の英雄とはどんな人か?
それは、側から見れば小さな存在であっても、自らの運命を背負うと腹を決め、たゆみなくその人生を歩く勇気のある人だ。

というような言葉があるのですが、(うろ覚え)作品を重く貫くテーマは、まさにこのままだと思います。
世界大戦を経験した、原作者のトールキンさんが、" 英雄 " の役目を、
ホビットという、食べること、耕すこと、友達と過ごすことが好きな温厚で、サイズも小さい、あの種族を、わざわざ、作り出し、そして彼らに託したこと。
ここに、J R R トールキンさんのとてつもない、気概というか、執念に近いものを感じます。

作品の中に溢れる、思わず涙のこぼれるようなセリフの数々も、そういった経緯を持つ、トールキンさんの言葉かと思うと、より一層涙が…止まりません。

実際にあった経験を、
そのまま文字や映像に起こして、辛いそれを昇華させる人、
想像の世界、自分とは違う世界に送り込んで、浄化させようとする人。
トールキンさんは、後者だったのかもしれません。

私はファンタジーがとても、とても好きで、そこからいろんなことを感じ取るのも好きなのですが、一方で、
"実話"や、"戦争映画" などは、見ていると肌や胃が痛いと感じるほどに苦手です。

私も、後者なのかもしれません。

…ところで、フロド役のイライジャ・ウッド、この3部作演じた時20ぐらいってすごすぎでは??????
私のアカデミー賞あげる…😂
ならさ

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