大阪のアンハサウェイ

嘘を愛する女の大阪のアンハサウェイのレビュー・感想・評価

嘘を愛する女(2018年製作の映画)
3.0
主演
長澤まさみ
高橋一生

DAIGO
川栄李奈
吉田鋼太郎

2013年の震災のときに出会ったふたり。そこから5年交際、同棲していた。

長澤まさみ演じる由加利はキャリアウーマンとして毎日多忙な日々。一方、高橋一生演じる桔平は薄給の研修医。

毎日夜遅くに帰る由加利を桔平は心配するが、由加利は仕事のストレスから、桔平には分からないと辛く当たってしまう。

そんな中、由香利の母が上京する際、桔平を母に紹介しようと誘うが、桔平は待ち合わせに来ない。それだけではなく、その日は帰ってこなかった。

しかし、その深夜、インターホンが鳴り、ドアを開けるとそこには警察が。病院で由香利が目にしたのは、くも膜下出血で倒れ、意識不明の重体となった桔平がいた。

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全てが嘘だった桔平。何か打ち明けられない理由があったのかと、桔平の立場で映画を観る。

由香利が桔平の過去を辿るたび、自分が奥さんの過去について、どれだけ無頓着でいるのかが分かった。

どんな学生生活を過ごしたのか。
どんな家族だったのか。
両親の離婚を、どんな気持ちで見ていたのか。
アルバイト先はどんな環境だったか。
どうして販売員になったのか、そこからデザイナーに転職しようとしたきっかけは?
そして・・・。
彼女にとって、僕との出会いは、彼女の人生にどういった影響を与えてきたのか。

今度、奥さんの年表を作り、奥さんの半生を振り返るツアーをしよう決めた。

桔平が子どもと、奥さんを相次いで失うシーン。
同じ家族構成で、同じく仕事で帰りが遅い自分には、胸に刺さるものがあった。
家族をもっと大切にできると感じた。それは時間だけではなく、もっと深いところから。

映画の最後、目覚めた桔平がどうなるかは描かれてはいないが、きっと上手く行くはずだ。本当に、感じることが多かった映画だった。