LYRICODE

アイスと雨音のLYRICODEのレビュー・感想・評価

アイスと雨音(2017年製作の映画)
4.5
これは事件だ。映画界の、いや、すべてのフィクションにおける。現実に握り潰されそうな物語の、登場人物たちの命の叫びが、観客とスクリーンを隔てる境界をふっと飛び越えてしまった。74分間震えっぱなし。劇中劇・メタフィクション等のワードにときめく人は必見!
ー2018/5/4 Twitterより

他のユーザーの感想・評価

数字つけるの難しい。。

熱量に圧倒された、けど共感して刺さるみたいなものはなかったから「学級委員に立候補したけど周りにノリで推薦された奴に多数決で負けたクラスメイトを冷めた目で見てる」側の人間ってことだろうな〜。冷たいな〜。
何かに打ち込んだことがないわけじゃないしまさに公演がなくなる的なことだってあったけど、なんだろな〜今そういう状態じゃないってことだろうな。五月病だし。

MOROHAの曲たちは一度も聴いたことない時に観たかった…。ここまで劇中歌を全部知ってると今度はこの曲来たか〜っていう謎の上から目線が出動してちょっと冷めちゃう。それも一因だな。

こころちゃんはめちゃ好きだった!
少し強気にさせてくれる感じが。
自意識を持った宇宙か〜☄️🌔🌏
ayaka

ayakaの感想・評価

4.8
生だった。生きてた。
人も音も空気感も、全部が全部。

ワンカットの74分間、
生ぽっくて熱くて、必死になって魅入ってました。

松井監督も言ってたように賛否両論いろいろある映画だとは思うけれど、私は最高でした。

私の今の年齢だからこそ感じれることがある。時間が追いつく前に観れる限りのモノを観て感じられる限りのモノを感じたい。
そう思った映画でした。
アイスなのに苦くって。ほろ苦くって。
溶ける前に食べたからか、雨に当たりすぎて風邪を引いたからなのか、鳥肌もたった。

そして、迸るパッション。

嘘なのに本当が散りばめられて、それが希望にも絶望にも見えて、少年少女の言葉はストレートに響いた。

74分。ワンカット長撮り。荒削りだしバランスがいいとは言えない。だけど、それぞれが輝く瞬間が確かにあったし、見た事を損だと思うことはこれからもないと思う。

賛否両論な評価をされると思うけど、僕は好きな映画だった。
松居大悟監督の編集の素晴らしさに驚き。こんな演劇なのかワンカットなのか映画なのかライブなのか歌なのかよくわからない意味のわからない時系列をうまく一つにしていてどきりとした。
こころさんはフィルムを通してのプラス一度の演技ではなくその場にいてきっとこういうかんじの暖かさやこういう感情の吐き出し方の人なんだなという画面の中の人ではない感じを感じられて久しぶりに演技に圧倒されて盗みたいと思えるものがたくさんあった。
ところどころスクリーン越しに話しかけてくるのが、心にグッてきてその時々に自分のなかで仕切り直しを感じた。
でも、演劇の内容はナンジャコリャと思うような内容だった。めっちゃメンヘラサブカル空想の中のお話でこの感じとちょっと違うんじゃないのかな。いやもはやそれがいいのか?だってなんか歌なのかラップしてる人もいるし、時系列もどんどん行くし、それがいい味なのか??私にはまだそこまでつかめていない。
本当に新感覚の映画だった。今後こういうのが流行るのかどうかはわからないが映画人は絶対これを見たほうがいいと思う。勉強になった。
KoJo

KoJoの感想・評価

4.5
“森田想役を演じる森田想を演じるのは森田想”という摩訶不思議ワールドのせいで、だんだんと自分が何を観させられているか分からなくなってくる。今泣いている森田さんは、どの森田さんなの?と何度も考えた。(ラストの涙は間違いなくあの森田さんなのだけど)

1人が3人分の熱量を持って演じていて、その熱量が「74分間ワンカット長回し」という技法によってこちらにダイレクトに伝わってくるわけで、もう息をつく暇などなく、、疲労感がすごかった笑

寝不足だったから手持ちカメラに酔いまくったけど、後ろに立っているであろう助監督やカメラのコードが見切れないのも凄いし、1度目の外出は晴れてて2度目はなんで雨が降ってるの?とか、あんなに長い道なのに全員エキストラさんなの?とか、撮影技法にも釘付けだった。でもその技法のせいで純粋に映画を楽しめたとは言えないかもしれない。。。(ちなみに4テイク目で成功したらしい。すごすぎ)
ゆゆゆ

ゆゆゆの感想・評価

3.8
見てから何週間も経ってるけれど、うまくまとまらなくて。
ワンカットの緊張感の中、演じきる力がすごい。いや、演じてないのか、本人なのか。見ていて、最初は意識していても途中から、役としてお芝居として演じているのか、本当の自分自身なのか、わからなくなってきた。
キャストの子の名前がそのまま役名なのもこういうことか、と。すごい。
役者としてまだ経験が浅いからこそのパワーとか若さとか熱がどんどん伝わってきた。

ワンカットということが頭の中に入っているからか、どうやって撮影しているのかとか映ってない部分のスタッフの動きとかも考えてしまって、見ている私もかなり集中力、体力を使った。
MOROHAの歌も私の中で徐々に馴染んできて、今では主題歌検索し始めるくらい。

この子たちの今後が楽しみ。森田想さんがどんどん蒼井優さんに見えてきた…。彼女は大物になる予感。
momo

momoの感想・評価

4.0
オールワンカット、見たことのない映画でした。
エネルギー溢れる作品。
映画とその中の映画
あいまいな境界線に没入する中
痛い青春の苦楽を思い出した。
ここでMOROHAにも会えた。
tonton

tontonの感想・評価

4.1
オーディションである演劇に選ばれた少年少女たちの三か月をオールワンカットで見せる、変わった映画。

ワンカットの中、演劇の練習と少年少女の実生活が入り乱れる構成。
それは役と役の外という単純なものではなく、時間たつごとに演劇の物語と彼らの物語が寄り添い始める。
当初、それは彼らがこの役を掴み始めた証拠なんだろうなっと思っていた。

そんな中主人公の少女だけは、役柄以上の情報があまりない。むしろ嫌々練習しているようにも見える。
だが、この公演が中止になるのが2週間前に決まったとき、誰よりも反抗したのは主人公だった。

その瞬間「無かったことになる」恐怖が頭をよぎった。
もっといえば、いなかったこと、存在していなかった事になる恐怖。
物語と実生活がリンクしていく姿は、彼らが役を掴み始めただけではない。
彼らがちゃんと生きている証なのだと、彼らが演じるはずだったそれはただ舞台上で消費されるだけの存在ではないと。
それはスクリーンを見ている私たちに向かって言っているようにも。

劇中劇・劇中の実生活に、この映画に出演する彼らという側面もそこからスクリーンに現れ疾走し始めた。

その結末へのプロセスはどこにでもある青春物の一節のような話かもしれない、だけど本当も嘘もひっくるめて彼らは走る。
もっといえば、死の臭いも微かに纏いつつ(これで役者生命が終わるかも?)
その存在の証明は誰かが見てくれるわけではないかもしれない。
それでも。
ラストシーン、舞台に立つ彼ら。
観客席には誰もいない。
雨が屋根に当たり響く雨音は鳴りやまぬ拍手のように聞こえた。

また、あいまあいまに現れ歌うMOROHAが凄い。
彼らの感情の増幅装置か、まとまらぬ感情の翻訳家か、彼らの守護天使のようか
いまや、いつでも手元にある「音楽」。それそのものがMOROHAで表現されているようで。
寝食観

寝食観の感想・評価

2.0
カットの声が聞こえたら、緊張の糸が切れた 疲れた. 面白いか面白くないかよりもみんな大変だったねお疲れさまという感想が先にくる
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