たまご

恋と嘘のたまごのレビュー・感想・評価

恋と嘘(2017年製作の映画)
4.7
舞台は、超・少子化対策として、政府が遺伝子レベルで「最良」のパートナーを選出し斡旋する近未来の日本。自由恋愛や自由結婚も禁止されてるわけではないけど、世間体や金銭手当などの面から大多数の人が「政府通知」の相手と結婚するってところがリアル。主人公の葵(森川葵)は政府通知を受ける16歳の誕生日を楽しみにしていたが、幼馴染の司馬くん(北村匠海)に突然告白され、、、

一見少女漫画のばかげた設定に思えるけど、筋は通ってるし、純粋に「いいなあ私も運命の相手を政府に教えてほしいなあ」って思った。「この人となら幸せになれる」「この人は間違いない」って保証されてる相手と結婚するのってすごい安心感やろうな。無駄な恋愛はしなくていいし。。こういう世界では結婚相手だけやなくて職業とかも適性や能力から最適なものを決定されてるんやろうな〜とか色々考えた。(でも映像や風景に近未来感がそんななかったのがちょっと残念かな。)
AIによるマッチングとか現実でも始まってるし、そんな突拍子もない話でもない気がする。逆に結婚相手っていう一生を大きく左右する選択が個人に委ねられてる今の現実すごいなとすら思ってしまった。失敗する可能性も時間を無駄にする可能性も全然あるのに、それぞれが自由に恋愛できる世の中すごい。何の保証もないのに。「人を選ぶ」根拠が自分の感情だけってすごくない?こんなに科学技術が発達してるのに。

で、めちゃおもしろかった。
まず、男子2人が最高すぎ。北村匠海は切ない演技させたら天下一品。北村匠海、見れば見るほど好きになってしまう…。大好き。葵のパートナー・蒼佑役の佐藤寛太も初めて見たけどめちゃくちゃかっこいい!!!なんだこの映画!!キュン!!!司馬くんも蒼佑も、葵を見る眼差しとかふとした表情とか微笑む横顔とか、胸をやられた。
しかもおもしろい飽きないあっという間。

そしてめちゃ泣いた。終盤司馬くんと蒼佑が話すシーンは人生ベストに入る名シーン。「これが愛…」て感じやった。全女子に見てほしい。悲しくて泣いてるのか感動して泣いてるのか葵になりたくて泣いてるのかわからんかった。てか葵になりたすぎる。
幸せにするとか幸せになるとか幸せになれるとかいう言葉が当たり前に出てくるけど、葵が厚生労働省の人に向かって口にする、「幸せってなんですか?」ていう問いが印象的。そのアンサーはラストシーンで出てくる。

来世は司馬くんみたいな幼馴染か蒼佑みたいな彼氏が欲しい。うう。こんな風に思ってくれる人がいたらもう人生他に何もいらないな。映画が終わってしまったの寂しすぎて、ロスがすごい。。
たまご

たまご