れもなぎと恋を

デトロイトのれもなぎと恋をのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
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私なりに子供のように主張する奴らと向き合った。自分の感情のままに声を出し、自分でも何を言っているのかわかっていない子供たちと、私なりに会話をした。怖い言葉が飛び交って、何もできないと喉が詰まった。そんな思いを体に溜め込みたくなくて、規模を大きくして世界を見たくなったので、この映画。

最初は好きな映画を見ようとも思った。女の子たちが幸せにダンスをして、笑顔あふれる映画。でもきっと、今の私では彼女たちの笑顔についていけないと思った。次にホラーをみようと思った。思いっきりグロくてファンタジックに怖いもの。でもホラーの魔法、見えないところが怖くなる表現を、今見せつけられたら、想像ばかり膨らんで本当に怖いものに向き合えない気がした。では地に足をつけて生きるものをと、ドキュメンタリーを見ることを考えた。でも他人の現実をそのまま見ることも、今の気持ちと合っていない感じがした。

では事実と、映画を。スターウォーズの彼も出てくるし、白人の警察官も馴染みのある顔。でも私から遠い、事実と映画を。そう思って再生した。

不思議と「私が頑張ったことなんてちっぽけ!」とはならなかった。重みがある映画は、心の外側だけ濃くしてくれる。体の中の、どこに心のかけらがあるかを教えてくれる。映画の内容ではなく、こういう持つに持てない感覚のある映画があることが、私をホッとさせてくれた。