pen

シェイプ・オブ・ウォーターのpenのレビュー・感想・評価

5.0
「彼」と会う時の彼女はいつも青い服を着ていて(仕事着だってのもあるけど)、水の中と外でも距離を感じさせず、ある時点を境に目に残るほどの鮮やかな赤の靴とアイテムを身に付けるようになる。全編で色が印象的なロマンス。

強面のマイケル・シャノンに対して見せる微笑みと手のサインから窺える、愛を知った人間の余裕さ。どんどん大胆になっていく主人公の姿も素敵だった。一方でどんどん堕ちていくマイケル・シャノン。この2人の現状の浮き沈みのすれ違いが、喜びと悲しみが混じり合うドラマになってて良い。

登場人物の誰も彼もが同じラインに立って生きている感じもとても良かった。「彼」が見せる人間とは明らかに違う行動も「これが彼の本能なんだ」と許容される。こういう人もいるし、ああいう人もいるんだと、拒絶するのではなく受け入れる。その瞬間に生まれる感情があるということを示した映画だと思う。

細かいことだけど、現実世界に突然出現する舞台的演出、効果的だと結構好きなんです。これも良かった。
pen

pen