MasahideYoshida

シェイプ・オブ・ウォーターのMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

4.8
2018年公開
監督 : ギレルモ・デル・トロ
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研究所の掃除婦と、謎の「研究対象」との不思議な邂逅のお話。

「適応」とは何かという物語。声の出ない女と、言葉を持たない生物とが、たくさんの「コミュニケーション」を経て、どんどん溶け合うように1つになっていく。対象的に悪役は、自分の指すら適応しない。存在と存在が「合う」とはなにか。登場人物はどこか、自分と他者や社会、環境と少しだけうまくいってないからこそ、その問いが際立つ。何事とも形を変えて密着する「水」が世界を覆う物語で、人間って、不器用だなと思わせられる作品でした。「水があう」とはよくいったもので、名タイトルだなと。最後に静かに泣きました。

クリーチャーありラブあり追跡劇ありサスペンスあり諜報活動ありって、どんだけエンターテイメントなんやねん。ザッツ映画。主人公が憧れるミュージカルよろしく、これを成立させたギレルモ監督はすごい。ずるい映画。