「彼女の人生は間違いじゃない」
初日舞台挨拶にて鑑賞。高良健吾さんが出ていなかったら、積極的に見ようと思わなかったから、彼には本当に世界を広げてもらっていることに感謝。
東京にて震災は経験したけれど、それでも、やはり、この映画に描かれる震災はまったく別世界の話。
主人公の閉塞感と渋谷で行う破天荒な日々のギャップが、より現実の重さを突きつけてくる。
綺麗事だけ訴えられるより、余計、胸に迫ってくる。
そして、やる気を失っていた父の再生のきっかけに、私は1番、心打たれた。
人が変わるきっかけは、人の真摯に現実に向き合う姿なのだろう。
賛否両論ある映画で、手放しで褒めあげる映画ではないかもしれない。また、福島の方が観ても、こんなものじゃないという反論や違和感はあるだろう。
それでも、何も知らなかった私、痛みとして感じるにはあまりに遠い出来事としてしか受け止めていなかった私には、自分の問題として受け止めるきっかけを作ってくれるには、十分だった。
「かぞくのくに」同様、観て楽しくはないかもしれないけど、観ることによって、自分が普段、見ていなかったことを「知る」「感じる」「考える」きっかけを与えてもらったことに感謝できる映画。
どんなことを感じるにせよ、多くの方に観て頂きたい作品。
