こういう、ひとつの(この作品に関しては複数の)人生を学べる映画が特に好き。
自分は昼職とデリヘルで生活費を工面しているのに、いっしょに住んでいる父親が補助金をパチンコですってたら、私だったら発狂するし別居するかもしれない。
それなのに、家族を見捨てず大切に、自分のことだけ考える訳でもなく、家事も全部こなして、愛情のある主人公に、なんとも言えない気持ちになった。
でも最後まで観て何となく感じた。
１番現実を受け止められていなかった、もしくは受け止めたくなかったのは、お父さんだったのかもしれない。主人公はそれをわかっていたのかもしれない。
展覧会で震災前の写真を見た夫婦の『生きているうちに此処に戻れる事はないんだろうな』っていう台詞。あれは、どういう意味だったんだろう。もうあの頃には戻れない、っていう意味なのか、もっとポジティブな意味があるのか…
近かったはずなのに、物凄く怖かったはずなのに、初めて知ることや感情が沢山あった。
津波を目の前にして、波に飲まれる人を目の前にして、心の病気にならない人なんていないよな…
被災した人も、そうでない人も、色んな人が、色んな想いや使命を持って頑張ってる。
