笹ちよ

リュミエール!の笹ちよのレビュー・感想・評価

リュミエール!(2016年製作の映画)
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オレは興味があったから観れたけどただただリュミエール兄弟の作品群をナレーションと共に鑑賞する会って感じ。

映画の父つまりシネマトグラフを発明した人間が同時期に2人アメリカでエジソン、フランスでリュミエール兄弟だ。エジソンは覗き見型の一人鑑賞用だったのに対してリュミエール兄弟はスクリーンに映写する今の映画の原点ともなる作りだ。

今となってはなんの変哲も無い映像なのだがナレーションを聞きながら観ると結構学ぶことがある。映画監督必見の資料群ではなかろうか。めちゃくちゃ貴重らしい。現にレンタル厳しいからね。このドキュメンタリー。

働くフランスをテーマに動く写真を表現したかったリュミエール兄弟。初期創作のクリエイティブな種が詰まっている。

初サスペンス?映画『赤ちゃんの歩行』は50秒の間に奥からヨタヨタ歩きのベイビーが2歩手前の母親に見守られながら来る映像。手前には段差があり覚えたての歩行では防げない障害があるというもの。

絵画的な構図が重要で必ず斜めに歩道が写るようにしてさらに画面の中央を歩かせない。そういう様式美。スピルバーグも同意見だそうでその哲学が脈々と受け継がれているようだ。確かに行列とか規則的な行動はアリンコの行列を見ているようでなんだか気持ちいい。

当時は音声なんて無かったのでそういった芸術点のウエイトが高かったのだろう。私達も潜在的に感じ取っているのかもしれない。
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