リュミエール!の作品情報・感想・評価

リュミエール!2016年製作の映画)

LUMIERE!

上映日:2017年10月28日

製作国:

上映時間:90分

あらすじ

多くの演出、撮影技術、撮影機材を開発したリュミエール兄弟の功績を称え、『工場の出口』『ラ・シオタ駅への列車の到着』など110以上の傑作が新たに修復され蘇る。そう、映画はここから始まった―。「映画の父」へオマージュを捧げるドキュメンタリー。

「リュミエール!」に投稿された感想・評価

Marrison

Marrisonの感想・評価

5.0
“世界最初の映画“を観に行ったつもりでしたが、正確にはこれは“世界最初の映画群にモダン目線の解説を付加した、2016年編集の最新・最高・最善・最良ドキュメンタリー映画!“です。
キモはその、ティエリー・フレモー氏の解説ナレーション。(もちろんフランス語。今回の東京都写真美術館ホールでの上映には吹替版の用意もあるけど、迷わず字幕版を私は選択。)過不足なく的確で、エスプリ含み!

“世界初の主演者”は、工員たちに交ざって入ってきた一匹の犬?
“世界初の主演女優“は、アンドレちゃんという赤ちゃん?
そして20世紀の映画監督たちの名前がほとんど出てこない中、「クロサワ」と「オヅ」が恭しく響いてました。嬉しい。
ぎゅうぎゅうーっとここに詰め込まれてる掌篇は計108本だそうで、それもちょっぴり東洋的、というか“コタツにミカン“な数字。
サン=サーンスによる音楽の、フィナーレ曲は結婚行進曲っぽい豊かさ。ベトナムの少女の笑顔もいとおしい。
いつ金秀吉が出てくるんだって思ってたら終わっちゃってた
うた

うたの感想・評価

4.8
リュミエールのシネマトグラフで撮影された108本の短編を館長のナレーションとともに観る。
無声で白黒で、そしてたったの50秒に表現された静と動。ただ動くことという、今や透明化されてしまって気にするのもおかしいことが、その瞬間には人々へ感動と奇妙さを与えたと思うと何とも不思議な感覚だった。
撮影の構図は、まるで絵画のそれのように整然とし、光と影の演出は白黒画面に、一番最適なコントラストを描き出そうという意図が見える。演者達は日常を暮らす人々が多く、彼らがたった50秒のなかで楽しさ、刺激、新鮮味を感じて役を少し大げさに再現している姿は少し滑稽でクスッと笑ってしまう。
リュミエール兄弟が、日常のどの50秒に光を当てたら、リアルで象徴的なフランスを表現できるか考えていたことがよくわかる。

リュミエール博物館の館長によるナレーションが、構図や演出、その他ちょっとした小ネタなどの解説を加えてくれて、退屈することなく全編を見続けることができた。これは一見の価値あり。
なんといっても、映画の父なるリュミエール兄弟の撮った映画ですから!
全然飽きないです
寝るかもしれないと思って躊躇してすいません
yusuke

yusukeの感想・評価

5.0
今も変わらない映画の本質に触れられる。
撮ることの喜びや熱意に感動。
解説も初心者には嬉しい。
映画の基本は100年前に完成されていたという驚き。
夏は地中海、冬はアルプスで過ごすというリュミエール家のリッチさにも驚き。
ちろる

ちろるの感想・評価

4.2
映画の始まりはどこ?
1893年にアメリカのエジソンが発明したキネトスコープからなのか、それともフランス人のリュミエールが作ったシネマトグラフなのか、、それは諸説あるから定義は曖昧ではあるけれど、現在私たちが楽しんでいる「映画」というものの基盤を確立したのはリュミエールが作ったこの作品たちなのだろう。
一回のシーンで許されるのはわずか50秒!
この限られた時間の中で演出をされた人々がおどけて笑わせたり、大きな汽車が画面に向かって走りだしスクリーンの前にいる観客をビックリさせたのだ。
演じる人たちもこのとんでもない魔法のような箱を前に呆然とたちすぐしたり必要以上に大げさな動作をして滑稽になったりするのもこの120年以上前の撮影だからこその新鮮さ。
そしてなによりもこの作品をスクリーンで観ることの魅力は、このシネマトグラフという魔法の箱のお陰で120年前の色んな場面にタイムスリップして、尚且つ世界旅行までできたことだ。
この映画はパリから始まり、リュミエールが上映会を行うために訪れた当時のイギリス、アメリカ、ベトナム、中国、そして日本だって写っている。
元々youtubeで100年前の映像を探して観て昔トリップする私にとってはもう、ワクワクする映像の数々で、これといったストーリーがあるわけでもないけれど、120年前の人たちと同じ映像を同じ映画館で観ているような感覚で楽しめてなんだか不思議だった。

今、映像の技術が進歩しすぎて、ちょっとだけ昔の映像見てCGがしょぼいだとかそういう事を偉そうに語る自分をふと思い出すと少し恥ずかしい。
今当たり前だと思って享受しているものは本当はこんな風にリュミエール兄弟たちのような先人たちが夢をかけて作り上げた技術の賜物がすべての出発点なんだと、原点回帰させられた。
そしてこれを観てなおさら映画という魔力に恐れ入ったシネフィル必見の作品。
映画の産みの親リュミエール兄弟の1895年からの10年間に撮られた
1422本のシネマトグラフの中から厳選した108本を
デジタルリマスターして復刻。
今までは「工場の出口」(今回、数バージョンを上映)
「列車の到着」といった、限られた作品しか観れなかったのが、
まとめて108本も観ることが出来るという福音。
金魚鉢、エッフェル塔の美しさ。
交通事故、機械仕掛けの豚、のグロテスクさは どうだ。

点数を付けるのもおこがましいが、あえて付けるとしたら
満点しかないでしょう。

シネフィルを名乗りたいならこの映画は必見。
何年か前に、日仏で「列車の到着」をスクリーンで見たことがある。それって滅多にない機会で、リュミエールの作品が「上映」されることなんて今日なかなかあるもんじゃない。「列車の到着」や「工場の出口」を知ってはいても、大きなスクリーンでそれを見る、という体験は、じつはいまのぼくらにはそうそうできるもんじゃないのだ。しかしこのドキュメンタリーができたことで、ぼくらははじめて映画を目にした人と似たような条件でそれらを体験することができる。よくぞ作ってくれました、という感じである。

セザンヌの「カード遊びをする人々」と同じ構図の作品や、ルノワールやなんかも引き合いに出され、画面を切り取るパースペクティヴのありかたの「近代絵画」との親近性なんかにも言及される。あるいは、プルーストの描いた当時のパリはこうだった、などとも語られ、19世紀から20世紀への変わり目の動く「情景」を目にすることで、そう、それこそ「失われた時を求めて」をぼくらはこれによってよりイマジナティヴに読むことだってできたりするのだ。単に映画の「はじまり」を目にして感動するだけでなく、文化的歴史的トリップまでもできてしまう。

そんなふうなナレーション解説付きなので、現代映画になれた目からすればともすれば単調でしかないワンシーン・ワンカットの50秒のフィルムを、アクション映画として、コメディ映画として、あるいは実験映画として楽しむことができる。実のところ初期映画を90分見続けるなんて飽きるんじゃね?と訝ってもいたが、そんな心配まったくなしで、あらためて映画を見ることの喜びにふるえることができる。

ちなみにぼくは立川志らくの吹き替え版で。これは日本語吹き替えのほうが、字幕に気をとられず画面に集中できるから良いかもね。欲を言えば、「ナレーション」ぽくしないで、「活動弁士」っぽい語り口を織り交ぜたりしてくれたらもっと楽しかったかも。
志らくさんのナレーション版で鑑賞。

お声も心地よく、画面に集中できて、良かった!