紗山莉子

ちはやふる ー結びーの紗山莉子のレビュー・感想・評価

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
2.3
残念なことに、原作からかけ離れたストーリーになってしまいました。原作を読んでない人は、これで楽しめたのでしょうか?意味が通じたのでしょうか?あのモヤモヤな恋愛シーンに納得してくれたのでしょうか?
原作ファンの私は、これは別のシーンのセリフ、このキャラは別の誰々、といった形で見てしまい、時系列がごちゃごちゃになってしまう罠に陥ってしまいました。

でも、肉まん君とかなちゃんの二人は良かったです!役者としても二人とも売れてきてるし、今後も期待が大きいです。特に矢本君は名バイプレーヤーの道に進むと思います!

すずちゃんも良かったですね。彼女は角度や瞬間によってブサイクになるところが魅力的。今後、大人の女性になっていくのが楽しみな女優さんです。

あと、Wすの配役は雰囲気がぴたりとハマっていたと思いました。二人とも、原作ではどんどん重要な役になっていってるので、本作での扱いの匙加減は難しかっただろうなあ。

マッケンは贔屓目になってしまうけど、やっぱり美形だなあ、と惚れ惚れ。仮に、マッケンが太一をやってたら、ちゃんと太一だったと思うんですよね。

つまり、私が一番ダメだったところは、野村周平さんの起用です。太一の要素が何も無いと思いました。ビジュアルに太一らしいところは何も無いし、演技も魅力を感じませんでした。前作は若干の若さと芸能人としてのフレッシュさで我慢できたのですが、ここ数年の野村さんの感じ悪い言動が足を引っ張ってしまう結果になりました(私の感想です)。

ストーリーとしては、原作のミズサワイズムというべきものが壊され、視聴後のがっかり度が高かったです。何故太一はいけしゃあしゃあと決勝の試合に戻って来れたのでしょう?あれを原作の千早にあてはめるなら、試合には出れません。かなちゃんが出しません。原作の太一ならなおのことです。
そして、新の良いところが今回も出てないという。。かるたの強さもナレーションだけでろくに描かれてないし、あの告白は絵面だけを原作の真似しただけで…。あんな新では、新と太一のどちらか選べない〜!という一般女子の無意味な悩みに発展しないです。
筑波くんのキャラ変に関しては、もはや涙が。何故に田丸さんキャラを混ぜた!?なら田丸さんでいいじゃない。謎の準クイーンを作ったんだし、1年も2年も全員登場させちゃえば良かったのに。

やっぱり、最終回を迎えていない長編漫画を映画で無理に完結させちゃいけないんだと思いました。
これなら、何年先でもいいから、原作終了後に新しい役者で完結編を作った方が良かったなあ。

あ、でも、映画の最後のシーンはステキです。原作もああなって欲しいですね!
紗山莉子

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