映画全体に独特の雰囲気が漂う作品でした。
それぞれの正義を持って行動する人たちの争いがシリアスに描かれています。
また、現代の日本社会に対する風刺も良かったです。
高評価された方は、恐らく演技の面が大半ではないでしょうか。
その点に関しては十分理解できます。
しかしこの作品、情報量が多いのに、
登場人物たちのセリフが聞き取りづらいので、
利害関係を把握しにくかったのが難点でした。
ノイズが大きすぎるのか、あえてそういう演出にしてるのか分かりませんが、細かな言動にも着目して鑑賞したいタイプなので少し残念です。
また、クセのあるインテリアやBGM、特に伏線にもなっていない謎の宗教じみた踊り子、これいるのかと首を傾げたくなる描写など(登場人物たちの心情や物語の行く末を暗示させようとしているのでしょうが…)妙に気になってしまう演出が多すぎるため、本筋の内容に集中できません。
特に劇中の性的な表現の使い方は、
個人的に好きじゃないです。
役者陣の演技も良いし、
ストーリーのテンポも良い、
取り扱っているテーマも良いのに…、
何か勿体無い仕上がりでした。
不快な要素を詰め込みつつ、
物事の二面性について考えさせられる重い作品でした。
