Ark

グッド・タイムのArkのレビュー・感想・評価

グッド・タイム(2017年製作の映画)
3.4
2023-68
ニューヨークの最下層で生きる貧乏な青年コニーと、知的障害を持つ弟ニック。兄に連れられ2人で強盗をして警察に追われ、ニックだけ捕まってしまう。刑務所内で囚人と揉めて怪我をしたニックは病院へ移される。それを知ったコニーは弟を取り戻そうと病院に忍び込み、連れ出そうとするのだが……。


コニーが人を巻き込んでは不幸にしていく、行き当たりばったりの逃走劇。

低脳で無計画だが、弟を愛している。でも、どうやら家庭環境に問題がありそう。コニーにとってはニックだけが親しい家族なのだろう。 そして彼は、ニックを想っているのは自分だけだと思い込んでいる。
ネタバレあり↓


強盗後から次々と人を巻き込んで不幸にしていく。
ガールフレンドっぽい女に保釈金の不足分1万ドルをカードで払わせようとするが、母親にカードを止められる。不審者に対処しようとした優秀な警備員は、コニーにボコられてレイにシャブ漬けにされる。弟と間違えて連れ出されたレイと名乗る男は、マンションの高層階から転落して多分死んでる。自分は逮捕され、弟は障害を持つ人達が集まるクラスへ入れられる。
見事に色んな人が不幸になる……(笑)

コニーには自分の行動が引き起こす未来を予測出来ず、弟の為のつもりでとにかく行き当たりばったりで暴走する。でも、本当に弟を愛しているなら強盗をさせるだろうか?利用しているだけと言われれば、コニーは言い訳に困るかも。
本作の主人公コニーは、警察24時とかに出てくるようなおマヌケ犯罪者をモデルにしているらしい。

最後の質問に答えて横切るゲームで、ニックは「家族と問題がある人は移動して」という問いで横切る。実は兄の行動に迷惑を感じていたみたい。

「good time」は、刑務所のスラングで模範囚が減刑されることを意味するらしい。しかし、登場人物のほとんとが不幸になることや、自分が逮捕されたことで弟は解放され平凡な幸せを手に入れたことからしても、このタイトルは皮肉を感じてならない(笑)

役者の顔をドアップで映すか、風景や役者を引きで映すかしかしてないのが気になった。顔ばっか見せられても画的に退屈。でもよく言えば、ロバート・パティンソンの端正な顔をひたすらアップで見られる映画。

ロバート・パティンソンのおマヌケな犯罪者の演技はかなり評価されているみたい。確かに、やってることはおバカなのに終始マジな表情なのが地味に面白い。
あと、髭も金髪も似合ってるし長身でスタイルも良くて、シンプルにイケメン笑笑

クライム映画なのに比較的平和なのは、本作のメインはアクションやクライム要素ではなく、どうしようもなく低脳な一人の男を描くことが目的だからだろう。
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