にゆ

少女ファニーと運命の旅のにゆのレビュー・感想・評価

少女ファニーと運命の旅(2016年製作の映画)
4.5
とても良かった。KMGCも観たけど、2018年ナンバーワン。フランス映画は「シェルブールの雨傘」ぐらいしか馴染みがなかったし、実在の人物の話が元と聞いていたから鑑賞前の期待値は正直低かった。(伝記とか実在する人物に関連するノンフィクションって大体メッセージ性が強すぎるか説教臭い印象)

ナチス支配下でのユダヤ人の子どもたちがナチスの手の届かないスイス国境まで逃げる旅の話。同行者の逃走、橋の爆破や検閲で旅は思うようにいかず、子どもたちは自分たちだけで決断し歩いて先を目指すしかなくなってしまう。その過程でのそれぞれの子どもの感情の揺れや垣間見えるお互いを思いやる気持ちが暗い題材の中で輝いてた。どんなに状況が悪くても明るさや優しさを忘れない強い子供たちに胸を打たれた。

主人公ファニーの役の彼女は演技が初めてとは思えないほど完成されてた。暗い内容だし、作中ほとんどが硬い表情だったけれど感情の変化を瞳や息づかいで表現してた。今後また出てきそうで楽しみ。

出来れば劇場で観たかったな、再上映しないかなって後悔と期待分で0.5
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