hatsune

おじいちゃん、死んじゃったって。のhatsuneのレビュー・感想・評価

4.8
本当に素晴らしかったです!!!!!
もつと広く公開されたらいいのに!

おじいちゃんの死をきっかけに、長男家族、次男家族、独身妹が集まりなんとか葬儀をする。
んだけど、もうびっくりするほど全員ワケありでバラッバラ。
また重度の認知症でもはや誰のことも分からない状態のおばあちゃんをどうするのか問題もあり、もうごっちゃごちゃ。

(おじいちゃんからみた)長男、次男はとにかく葬儀を面倒がったり世間体を気にしたり。どうしようもないことで取っ組み合いの大喧嘩にもなる。
不毛な大人の揉め事を見ながら進む葬儀の準備。まるでおじいちゃんの"死"を悲しむ空気感がないことに疑問や違和感を感じる子供勢。
(大人より子供達の方がよほどしっかりしてる。)
と言いつつも、主人公はおじいちゃんが亡くなった時にセックスしていたことに罪悪感も抱いていて…とにかくみんながモヤモヤしている。

この、"綺麗な話"じゃない、もっと言えば醜態さらけ出しまくり、流れに身をまかせたがりの人間らしいところ大好き。
それでもやっぱり、お互いを突き放し切ることはできない。何故なら家族だから。
それを誰も口には出さないけど、行動の一つ一つには現れていて(スプレーかけてあげたり靴買ってあげたり、時には大声で怒鳴ったりね)、全部ひっくるめて、いびつな形した愛情だなと。
そういう意味では「永い良い訳」っぽさもある。
で、途中、「みんな他人事にして生活してくのよ」などなど核心つく台詞がいくつかあり理解しやすかった。

実際、自分もちょうど2年前におじいちゃんが亡くなった時、悲しいんだけど、本当にどこまで悲しいのか正直もうよくわかんないんだよね。
だからこの映画のタイトルである"おじいちゃん、死んじゃったって。"くらいの妙なライトさは言い得て妙だと思ったし、映画全体の雰囲気もその通りだった。

あとねぇ…舞台の熊本県人吉市、超素晴らしい田園風景なの!青々とした緑、極彩色。ぜひ行ってみたいです。

うわ、めっちゃなげー。笑
hatsune

hatsune