だいき

となりの怪物くんのだいきのレビュー・感想・評価

となりの怪物くん(2018年製作の映画)
2.0
2018年公開映画66本目。

サノスかと思った。

予告を見た時から不安だったが、結局想定通りのことしか起こらず、予想を下回ることはあっても上回ることは一度も無かった。
本作はとにかく説明描写が不足している。
土屋太鳳演じる雫の、動物に対する価値観がカットされ、勉強面のことしか説明されない。
雫の母が何の仕事をしているのかも明かされない。
山田裕貴演じるヤマケンの家柄が説明されていないため、パーティー会場に何故彼がいるのかも謎。
未成年が消えても放置する学校や家族。
挙げればキリがない程、大切なものが欠けている。

学校や階段のシンメトリーの画面構成、高層ビルと富山の背景のギャップは漫画的な独特な世界観が築かれて好感だが、特徴的な制服は生地が安っぽくコスプレ風に感じてしまい残念。
足りないことを埋め合わせるようで求めるようでもあることを何度も映像で演出した後にセリフで説明するのは如何なものか。
脚本と心象不足を西野カナの楽曲、歌詞で補う手法も同様。
池田エライザ、浜辺美波など主演二人以外のエピソードはお情け程度に描かれるが、結局は放置され、モブキャラ扱いと変わらない。
これぞ演出の無駄遣い。

原作全13巻を映画に纏めるからには勿論切り捨てなければならない要素も多々あるが、本作は切り捨ててはならない要素を切り捨て、不要な要素を付け足している。
真逆。
片腕で人を持ち上げられる菅田将暉演じる春の怪物ぶりを成立させるために、非現実のブッ飛びアクションを付け足したなら根本的に注力すべき箇所が間違っている。
それより先に、人が人と接する時の距離感をもっと丁寧に考えて描くべき。
あんなに無駄なワイヤーアクションは観たことがない。
だいき

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