Kent相対評価

リロ&スティッチのKent相対評価のレビュー・感想・評価

リロ&スティッチ(2002年製作の映画)
5.0
両親を亡くし親代わりとして一人で妹を育てる姉ナニは、恋愛したり遊んだりする時間もなくアルバイトに勤しむ。

しかし、この自己犠牲も虚しく、家庭崩壊寸前の様子を福祉局員に目をつけられ、幼い妹リロは福祉局に預けられることになってしまう。

ナニとリロの家庭に目を向けると、ディズニーとしてはかなり暗く、現実的なつらさを抱えている。

そこに非現実的なスティッチや宇宙人が加わることで、一見その繊細な設定が上から塗りつぶされてしまうように思う。

しかし実際には、スティッチの存在はただストーリーを明るくしたり盛り上げたりするだけの役割ではなく、家族のいないスティッチを通して家族とは何かという問いかけが生まれてくる。

ポップでありながら大人にも届くメッセージ性が込められているこの絶妙なバランス感覚が、これまでのディズニー作品とは一線を画す。

作画に注目すると、『白雪姫』、『ダンボ』以来3作目となる背景が水彩画の作品なので、そこが注目ポイント。

完全に余談だが、岡田斗司夫氏が『美女と野獣』の解説で、ディズニー最初で唯一の乳揺れシーンがあると言っていたが、実は本作にも水着のお姉さんたちの乳揺れシーンがある。
開始44分〜46分ごろのビーチのシーンで、特に赤い水着のライフセーバーの女性が顕著。