Round

BPM ビート・パー・ミニットのRoundのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて。

トークショーで北丸さんが言っていたように、作品内での事が全て実際にあったという事には驚き。
流石にセーヌ川が血のように真っ赤に染まる様は演出かと思って色々考えていたのに...

始まってすぐ穏やかではない流れに、もう少し穏やかにいけばいいのにと思わされてしまったのも監督の狙いだったんだと観終わってから気付いた時は愕然とした。

何故また今エイズを題材にした作品が出てきてカンヌでもグランプリを取るような状況にあるのか、まさに自分のような人間が再び溢れかえって来ているからなんだと気付かされた。

実話をベースにした作品は当時の雰囲気を出すためにもフィルム加工だったりあえて粗くしたりとする作品が多いが、本作は1990年代という舞台を非常に美しい映像で映し出している。
そこが逆に当時の人々の生き様を生々しく見せていたんだと思う。

クラブシーンからのエンドロールが無音なのも、作品の中で繰り返し言われていたように、「沈黙は死だ」と最後の最後まで言われているような気がした。


観終わって確実に価値観が変わる素晴らしい映画でした。

もはや今は、あの音楽が聞こえてきたら指を鳴らさずにはいられない。
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