ドキュメンタリー番組に近い、重厚な社会派映画。アメリカの麻薬問題をどっしりと扱い、追うものと追われるものそれぞれをしっかりと映し出していく。加えて､アクション俳優として名を馳せたウェズリー・スナイプスがまだそれを活かしきらず小悪党的な役柄を見せ、LAW & ORDERでは坊主頭のアイスｰTがラッパーから俳優へ進出したばかりで個人的には見慣れないドレッドヘアーである、といった有名俳優のフレッシュな姿が見れる作品。
アイスｰTが演じるスコッティの相棒となるニックをジャド・ネルソンが演じるわけだが、ニックはスコッティと同等に麻薬を憎み且つ貧困家庭に生まれた白人としても苦しんだ過去がある。2人は歪み合いながらもそうした部分をあるキッカケで話し合い、中盤以降はちゃんとした協力関係になるのだが、そんな熱い展開の割にニックがそこまで活躍しないのが残念だった。登場人物も多く様々な人間模様が展開される上、話として扱うものも大きいのでそこまでフォローするのは難しかったのかもしれない。
