Rita

ビッグのRitaのレビュー・感想・評価

ビッグ(1988年製作の映画)
4.3
体は30歳だけど心は12歳。

移動遊園地で見つけた不気味なゾルター人形にコインを入れ、"大きくなりたい"と願う。翌朝、目が覚めると突然大人になってしまった少年。大人の世界へ飛び出し、就職先で大人の女性と恋に落ちる。

小学生の頃、深夜の番組で放送していた映画が「ビッグ」で、凄く切なくて感動したのを覚えてる。あの感動とあの名シーンをもう一度見たくて何年かぶりに観賞。一番好きなシーンでもあるのですが、おもちゃ会社の社長と一緒に巨大ピアノでジャズの『Heart and Soul』とクラシックなピアノ曲の『Chopsticks』を演奏するシーンが印象的。

大人と子供。年齢の差って遠ければ遠いほど悲しくなってくる。ジョシュの10年後、スーザンに電話するのかは分からないけど一生忘れられない好きな女性がジョシュを成長させたことには変わらない。

ジョシュとジミーが喧嘩したとき、「お前より3ヵ月年上だぞ!」とジミーが怒っていたのが子供らしくて可愛い。ラストのお別れの場面でスーザンがジョシュの額にキスする場面は、けじめでもあり、自分のあるべき気持ちを心に決めたのだと思う。ふたりのお別れの場面でただ表情で語るあの言葉に表せない不思議な感覚が好きで、よりいっそうこの作品が尊く感じた。

トム・ハンクスの演じる子供役が可愛らしくて癒しでもたあり見ていて楽しかった。見た目は大人だけど中身は子供という複雑な役柄を見事に演じていて彼の演技力には思わず見入っていました。一つ一つの仕草や反応が面白かったし、子供ってこんな感じだよなと思いながら微笑ましかったです。

女性の方なら同じことを思うのかもしれませんが、母性本能をくすぐる素直な大人のジョシュにドキッとしました。本当に子供のような男性がいたら可愛らしいですよね。一生心に残る素敵な映画だった。
Rita

Rita