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女と男の観覧車のfernのレビュー・感想・評価

女と男の観覧車(2017年製作の映画)
3.3
後味は苦くケイト.ウィンスレット演じるジニーはきっとこれからも昔に思い描いたような人生は送れないのだろう、と辛い気持ちになりました。

その昔才能のある女優だったジニーは、最愛の夫を裏切り自殺させてしまった事とその悲しみのせいで女優を続けられなくなった事をずっと悔いながら毎日を過ごしている。

酒癖の悪い2度目の夫、放火癖のある息子(10歳くらい?)、イライラが募るばかりの日常にふと訪れたミッキーとの恋。

現実と向き合えればそんな恋などすぐに泡と消えてしまうと分かるだろうに

ミッキーが劇作家を目指す青年であることも手伝って、再び女優になる夢とミッキーと結婚する夢の両方にすがるようにしてにっちもさっちもいかない現実から目を背けるようにして生きている。

虚ろな結末が透けて見えるような話の間中流れる陽気でノスタルジックなジャズの調べ

またドラマを彩る色彩が素晴らしい、これまたノスタルジックで話を裏切るようにロマンティック。

この二つがどれだけこの映画に救いを与えているか、、ウディアレンのセンスが光ります。

自分のふとした愚かな行為でミッキーとの恋や未来、2度目の夫の娘キャロライナを失ってしまったジニー。

キャロライナを失い怒鳴り散らす夫は、そんな事とも知らずに最後はジニーに縋りつく。

ジニーはまた犯してしまった二つ目の罪をも抱えてこれからも生きていかなければならない、、。

ラストシーンの息子の放火、これは何を意味しているのでしょうか?でもこのシーンがラストに来ることがこのパズルを終えるにはぴったりと思えました。
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