MikiMickle

スレンダー 長身の怪人/都市伝説:長身の怪人のMikiMickleのレビュー・感想・評価

2.5
アメリカの都市伝説。異様に長身で手足が長くガリガリに痩せた黒いスーツのスレンダーマンが子供を執拗にストーキングし、さらうというもの。そして時に人を操り…
その噂はネットを介して急激に尾ひれをつけつつ広まったらしい。そのひとつがMarble hornetという映像シリーズがYouTube。今作は、それの映画化。


テレビ記者のサラとカメラマンのマイロは、新しい上司のチャーリーの元、銀行の差し押さえにあった家々を取材する。
その中で、夜逃げの如く忽然と姿を消したウィトロック家を訪れる。電気もついたまま… その地下室で見つけた黒い怪し気な落書き。鍵の掛けられた物置のビデオテープ。
そこに写っていたのは、曖昧な顔で黒いスーツを着込んだ男の姿だった。

カメラ越しにしか姿が見えないその男。
ウィトロック一家に忍び寄る謎の男は、それを調査するマイロたちの元へも……

彼らは謎の男スレンダーマンから逃げるべく、真相を追うべく、ウィトロック一家の行方を探す……


恐怖におののきずっとカメラを回し続けた家主のダンが残したテープと、何でも撮るマイロの様々なカメラを通して、全編がPOVで描かれる。
つまり、ファウンドフッテージとモキュメンタリーの融合。

いつ現れるのか、男の正体も目的もなんなのかわからない状況で、じわりじわりと近付いてくる。
臨場感と緊迫感。映像と音のノイズ。
この壁の向こうにいるのか?とゆっくり動くカメラと共に自然と自分の体も動いていたりしてwww でも、いなかったりしてw

男は常にチラリズム。仰々しく襲ってくるのではなく、時に影に、時に真横に、不意にスっと訪れる……
様々なところにチラ見せしてくるので、「あっ‼発見っ‼‼」とちょっと喜んだりもしちゃったり…w 画面の端から端まで見逃せない‼

また、マイロとサラとチャーリーの危うい三角関係や、マイロのストーキングと盗撮も気持ち悪さと緊張感と不穏さを醸し出す要素になっており、一方で常軌をきしていくダンの姿も描かれる。常に不安定さがつきまとう。

スレンダーマンをダグ・ジョーンズが演じている所が素敵でもある。ダグ・ジョーンズといえば、『ヘル・ボーイ』でのエイブ・サピエン、『パンズ・ラビリンス』でのパンやペイルマン、『ファンタスティック・フォー』のシルバーサーファーなど、長身を生かしての怪し気な演技が秀逸‼
が、今回はそれほど長身でも不気味な手足の長さでもなく、普通のパンスト被った黒スーツの男みたいな風貌なのが残念ではある…(まぁ、普通じゃないけどw)

正直な所、ファウンドフッテージものは見慣れているので目新しさはそれほどないが、それでもそういったアメリカの都市伝説がある事や、がっつり襲ってこないくせにねちっこいストーカー体質のスレンダーマンのやっかいさや、「スレンダーマンを探せ‼」やらを楽しめたし、ワンちゃんが可愛いし、ちょっと楽しめたw
MikiMickle

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