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祈りの幕が下りる時のPAPASのレビュー・感想・評価

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
4.5
【1+1=3の泣けるミステリー~東野+TBSの星~】
「祈りの幕が下りる時」90点。

素晴らしい!

「1+1=3」の「東野圭吾」の魅力WORLDです。
絡み合った出来事が緻密に見事につながる謎解き「ミステリー」+どこにでもいる人々の「普通の・大切な」「こころ・情・思い」=「泣ける」人間ドラマです。ヒューマン「ミステリー」です。

「ドラマのTBS(復活でしょう。「フジTV」があまりに…)の星」にふさわしい「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」の演出の「福澤克雄(諭吉の孫?)」の魅力WORLDです。

「1+1=3」の魅力にふさわしい「原作者・小説家・文学者」+「監督・演出家」=久々の「名作・感動作」です。

「適材適所」のキャスティングも決まっています。
あまりに美しい「松嶋奈々子」さん。凛々しく運命を受け入れます。完全に役になり切り、その涙ぐみ口の端が微動する姿に胸打たれます。
「春風亭昇太」さん。庶民的な単純素朴な言動にホッとします。
素直な中身の良さがにじみ出ている「飯豊まりえ」さん。癒されます。低俗な週刊誌に身体をさらしてはいけません。
エラく地味な役でも「ミッチー・及川光博」さん。出るんです。
「関ケ原」のやんちゃなヒール役「福島正則」から目を引きます「音尾琢真」さん。損な役ではありません。見ている人は見ています。
そして、いつもニコニコの「小日向文世」さん。熱演でした。さすが舞台からの叩き上げの役者です。
多忙な「阿部寛」さん。前回の東野作品「疾風ロンド」に唖然としましたが、今回はマシでした。いつも「クールで知的」な「加賀恭一郎」ですが、今回の設定ではもう少し弱いこころを出しても。「エモーショナル」でも良かったのでは?ちょっと明察すぎます。でも「ハマり役」です。原作の「加賀恭一郎」からしてあなたしかいません。
なんといっても「キムラ緑子」さんです。見事な「ダメなおばちゃん」役です。あなたのせいで…。関西弁のおばちゃんは東の「大竹しのぶ」さんに匹敵する名優です。応援してます。

あっちこっちで映像の工夫がされてます。
「顔」の出し方が巧みでした。特に、誰(役者の顔)かわかちゃったらまずい「似顔絵」と、タイトルを出す直前は。
また絡み合った出来事をわかりやすく図式化してるのも丁寧です。
あのシーンは「砂の器」を意識してるんですね。

BGMとしてあの馴染みの曲はピッタリでした。
「JUJU」さんの歌声もエンディングにピッタリです。

タイトル通りの見事な感動のフィナーレでした。

親子の絆は決して切れません。だって「人間だもの」🍀
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