よるこ

ミスター・ノーバディのよるこのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)
4.9
2092年、人類が不死となった近未来で最後に死ぬ人間となった118歳のニモ。不死になる前の世界とは?新聞記者が訪ねると、彼は幾通りもの過去の選択を語る。これは両親の別離で究極の選択に迷った9歳の少年の作り出した世界で私たちは存在しない、と。2092年、そのときが来たら人類は時間から解放される。

どの選択も正しく意味がある、老人ニモの言葉はどんな悲惨なものでも等しく意味があると、含蓄を感じる。映画を見ながら無意識にどれが真実か、どれが正しいのかと記者と共に探してしまう、だけれどどれも正しいという言葉にはっとする。
そしてラストの展開に幸福な気分になる。

不思議なパラレルワールド、圧倒的ですべてが美しい映像と物語、これぞ映画、というものを久しぶりに見た気がする。
どの彼も良かったけれど、15歳のニモ(トビー・レグボ)がすごく美少年。アンナとの物語は映像も演技も何もかも素敵で切なく、すごく好き。
よるこ

よるこ