Fernweh

ウォーキング・ウィズ・エネミー / ナチスになりすました男のFernwehのレビュー・感想・評価

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ハンガリーで、ブダペストで、何が起きたか。ブダペストの川沿いのブロンズ像(靴)の意味を忘れずにいたい。
ヴァンゼー会議のことや、自分たちで掘った穴に自分たちの遺体が入ることになったこととか、史実の部分は他の映画や本で補填できる。仄めかされるシーンにとどまるくらい、思いの外、残酷な描写はそこまで多くない。焦点が別のところにあるから見やすいと思う。
ピンチャス・ローゼンバウムやその仲間たちが、危険を顧みず、できることの限りを尽くしても、毎日守りたい命を守ることができない辛さ。どんなに力を尽くしても、毎日救えない沢山の命に直面する辛さ。無力感。付き纏う罪悪感。次第に減る仲間。仲間と考えが一致しなくなる苦しみ。
この世にある、必要のない残虐行為や苦しみから、すべての人が解放されて欲しい。
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