nobuo

劇場版 フリクリ プログレのnobuoのレビュー・感想・評価

劇場版 フリクリ プログレ(2018年製作の映画)
3.4
公開順通り「オルタナ」に続けて鑑賞。完全にご新規お断りの、事実上「フリクリ2」。

オルタナの感想で長ったらしく述べた通り、オリジナル版フリクリの良さは「気持ちいい」という点に尽きると思っている。独創的で迫力ある映像、それに重なるthe pillowsの名曲による相乗効果による快感だ。アマプラで配信されていたので改めて観たが、2001年に創られたと思えない程に古びていないセンス・作画レベルの高さに驚かされた。


映像面の勢い・楽しさについては期待以上。オリジナル版を踏襲した滅茶苦茶な展開を、時折訪れる滅茶苦茶な演出で盛り上げてくれる。相変わらず全てを説明しないストーリーなので、盛り上がりはしてもスッキリはしないが。そもそもスッキリさせる気なんてこれっぽっちもないだろうから、その点は最初から気にしていない。

キャラクターの造型についてはオルタナの女子高生集団に軍配が上がる。2018年にもなって「常にヘッドホンを付けることで世界から自らを閉ざすヒロイン」ってキャラクター像はどうなのよ。ハーフの級友やレンタル彼女等、活かしきれておらず描写不足のサブキャラも多い。

pillowsの楽曲の使い方については、オルタナ同様首を傾げざるをえない。「Thank you, my twilight」「LAST DINOSAUR」等、一部の曲に頼り過ぎ・乱用しすぎ。その上選曲がオルタナとダブり過ぎ。
pillowsは来年結成30年を迎えるご長寿バンドなんだから、もっと使用曲のバリエーションを豊かにすることも出来ただろうに。せっかく大好きな「サードアイ」が使われたシーンも、曲のエモーションに映像が押し負けていた...。


鑑賞から一日経ち、イマイチだと思っていたオルタナもそこまで悪くなかったかな...と考え直した。あっちもフリクリ。こっちもフリクリ。文句はあれども楽しめた。
nobuo

nobuo