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トップガン マーヴェリックのSHOHEIのレビュー・感想・評価

4.1
パイロットのマーヴェリックはかつてのライバル、アイスマンの強い後押しによってかつて自らが卒業したエリートパイロット養成校、トップガンの教官に就任する。ならず者国家の核開発プラント稼働を目前に、これを破壊するためのパイロットを鍛え上げるミッションが課せられた。またその中にはかつて事故死した盟友、グースの息子のルースターの姿があった。

59歳のトム・クルーズがかつて自身をスターに押し上げたマーヴェリックを再演。序盤、無人戦闘機の時代到来を予感させる中、有人機開発の予算をつけるためにマッハ10の記録に挑む彼の型破りな姿。そしてクライマックスで描かれる次世代戦闘機と過去の遺物F14の対決。いずれも歳を重ねた男がロートル呼ばわりされることを拒絶するような、「俺たちはまだまだいけるぜ」という熱い意気込みを感じる。いつまでも現役第一線で道を切り開いていく姿にはトム・クルーズの仕事論的なメッセージも感じ取れる。いまや最後のハリウッドスター俳優と呼ばれるようになったトム・クルーズの歩んできた伝説的なキャリアが、マーヴェリックの人生そのものと重なる。亡き父の死を乗り越えたかつてのマーヴェリックと同じように、若きルースターもまた父の死を乗り越えようと奮闘する。演じるマイルズ・テラーのヴィジュアルもさることながら、エンディングではありし日のグースと重なる姿に感動。トップガンと言えばロマンスも欠かせないが、今作から初登場となるジェニファー・コネリー演じるペニーとの恋模様はかつてのマーヴェリックとの関係がほとんど明かされず、最後まで物語に入り込めなかった。ケリー・マクギリスが今現在あのような姿ゆえキャスティングが叶わなかったことは残念だが、どうしても前作の恋人チャーリーの印象が強すぎて新キャラクターとの恋愛には馴染めない。とはいえ作品全体は前作より骨太で、サービス精神満載かつメインのドッグファイトもアップデートされた傑作。
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