このレビューはネタバレを含みます
83点
社会の嫌われ者達を、皮肉にも面白かっこよくしぶとく描いていた。
嫌われ者と言っても、政治家や警察官の汚職とか、ではなく、真っ当に仕事をしているけど、健康を害するタバコの広報マン=大量殺人をしている嫌われ者というのが、なるほど、そこに目をつけたのか、と。
そして、他にもお酒とか、同じ嫌われ者の大衆消費財宣伝仲間と共に食事会して愚痴る様子が微笑ましかった。
そして、ローンを払う為に稼ぐ。というのがリアルだなあと。
それでもどうにか売上を上げていきたい中で、映画でタバコを吸うシーンを撮ったらどうかと、イメージアップを図ろうとする。
けど、この映画自体タバコの話なのに、タバコ吸ってるシーンが無かったよね?と、それまた面白い。
さらには、タバコのイメージモデルとして、過去宣伝にでた俳優が、肺がんになり、タバコ会社を訴える、というのが皮肉すぎる。
それを賄賂でなんとかしなければならない広報部長と、社会見学で着いてきたその息子。
子どもに何を見せてるんだ!と思うけど、その子どもが賢すぎる。
父親に似て良かったと安心。
そして、それらの仕方なく仕事を務めながらも、取材をしにきた美女記者と、関係を持ってしまう。
そして、世間にバラまかれる。
でも、それも、彼女にとっては、ローンを払う為に稼いでいる=それが仕事であるのだ。
記者も、そう考えればよく嫌われ者となる。
世の中には真っ当に仕事してても、ある側面から見ると嫌われ者はたくさんいる。
ただ、この映画のすごいところは、タバコを批判的にも見ないし、オススメもしないところ。
非常にフラットに描かれてて、共感できる側面が多かった。そして、振る舞い方とか、社会人としての勉強にもなりました。笑