ナカムラ

さよならの朝に約束の花をかざろうのナカムラのレビュー・感想・評価

4.0
絵が抜群に良い。
フラットな印象のキャラデザインながら、実力派揃いのアニメーターよって、繊細かつ生き生きと描かれていて、観ているだけで満足感がある。
美術も素晴らしい。少年時代にワクワクして遊んだファンタジーRPGのような世界が、美しく描き出されている。
脚本家岡田麿里の初監督作、ここまで素晴らしい画面の作品を作るのか…と驚きました。

お話も良かったと思います。
長寿の種族と短命の人間との関わり、少女は母へ、少年は大人へ、母子の関係、種族差による別れ…
好みの題材だったし、クライマックス、各キャラが感情を爆発させるシーンは確かにグッと来るんですが…もっと、もっとやれただろう!という思いもあった。
どうにも、各キャラの感情に同調しにくかったんですよね。
終わりへ向けてぐぐっと気持ちが登っていく過程で、どうもプツっと切られてしまうような…
レイリアとか、彼女の扱いだけで一本の筋になるようなキャラなので、マキアの話と引っ張り合っちゃったのかなぁ、なんて思ったり。
それよりも、エリアルのマキアへの思いやディタとの関係を描いて欲しかったかも。
そういえば、一番ジーンときたのがディタのシーンだったなぁ。
そんなに泣かせるシーンじゃなかったかもしれないが、彼女の感情が一番素直に理解出来たからだと思う。あと日笠陽子が上手い。
ずーっとそのことが引っかかってたんだろうなーと思って、グッと来た。

お話は、もっと気持ちを持っていってくれても!という引っ掛かりもありましたが、素敵な画面とアニメーションは大満足。
初監督作でこれは、次回が楽しみですね。
ナカムラ

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