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アサルトガールズのpenのレビュー・感想・評価

アサルトガールズ(2009年製作の映画)
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本作は非常に人を選ぶ作品だ。エンターテイメント性は低い。
もう1つ書くと、冒頭で堅苦しい言葉が並べられるが無視しても構わない。
要は「アヴァロン(f)」というオンラインゲームがあることを理解すれば良い。
最後に書くと、本作のシナリオは非常にシンプル。
デカいポイントの標的を倒そうとするソロプレイヤー達のドタバタ劇だ。
縮めようと思えばアニメ1話分のボリュームに圧縮出来る。

この映画は映像、衣装、女優が全ての作品だ。

時間の感覚を忘れさせるような雲の流れ、
濃霧も拡がる山々に囲まれた広大な荒野の様子、
その荒野をデカい銃を担いで歩く長身の男(演・藤木義勝)の影。
近年はTVドラマ演出や乃木坂46のショートムービーを数多く手掛ける湯浅弘章氏の撮影する映像は、幻想的な雰囲気を作品全体に漂わせる。

そんな映像の中で、劇団☆新感線所属の竹田団吾氏によりデザインされた衣装を見事に着こなしながら立ち回る女優陣が良い。
特に(内容はともかく)黒木メイサを上手く活かした作品の1つではないかと思う。
以前衣装が展示されていたのを目にしたが、その腰の細さに驚いた。

映像の撮影方法(更に細かく言えば、舞台となるロケ地の選定)、衣装、その衣装を着る役者のキャスティング。
これら三つによって映画の世界観は創り出されるんだなぁということがよく分かる一作。
スタッフには先述した竹田氏や湯浅氏のほかに田口清隆氏、辻本貴則氏、そして音楽の川井憲次氏がおり、後の『ガルムウォーズ』『TNGパトレイバー』への繋がりも感じさせた。
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