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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のMEのレビュー・感想・評価

4.1
救いようのないやるせなさ。。

フロリダディズニーのすぐ外側にある、モーテルで暮らす親子の物語。
本当にまるでドキュメンタリーを見ている気分だった…
ムーニーの屈託のない笑顔と自分で創りだす日常。そこに嘘はなくて、親友と過ごす時間や母親への愛が溢れてた

配給されたパンに苺ジャムをたっぷり載せて美味しそうに頬張りながら、
「何でこの木が好きだかわかる?倒れても育ってるから。」というセリフでまだ子供であるムーニーの観察力、勘の鋭さ、生きる力がどれだけ備わっているかがわかった

モーテルの管理人で、親子を気にかけるボビーもこの作品でとても大切な存在だ
救いたくても救いきれない。
貧しさや家庭環境という問題中にある、負の連鎖が目に見えて伝わってくる。

ムーニーの母親ヘイリーも、似た環境で育ってきたのかな。子供への愛も、生活費を稼ぐために必死なのも伝わってくる。
だけど口が悪いのも、行動が突飛的なのもそれを見て育ってきたからだと思うんだ。その方法以外知ることが出来なかったんだと思う
ヘイリーの綺麗な空をバックにした後ろ姿と、ナプキンをドアに張り付けた場面が印象に残ってる

映像としては、ムーニーがみてるパステルでカラフルな世界と、子供の目線で撮影されたシーンがとっても素敵だった

ラストシーンはなあ、マジカルエンド?ちょっとまだ理解しきれてない。

ムーニーの普段はポジティブな明るさでやり過ごしてたけど、あの瞬間に全ての我慢や不安となって溢れ出した涙が私の心にブッ刺さった…

「あなたは親友よ。でも多分もう会えない。」これからもっと、強く生きることを学んでいくんだろうな
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