フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法の作品情報・感想・評価

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法2017年製作の映画)

The Florida Project

上映日:2018年05月12日

製作国:

上映時間:112分

あらすじ

6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルでその日暮らしの生活を送っている。周りの大人たちは厳しい現実に苦しむも、ムーニーはモーテルに住む子供たちと冒険に満ちた毎日を過ごし、そんな子供たちをモーテルの管理人ボビーはいつも厳しくも優しく見守っている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々…

6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルでその日暮らしの生活を送っている。周りの大人たちは厳しい現実に苦しむも、ムーニーはモーテルに住む子供たちと冒険に満ちた毎日を過ごし、そんな子供たちをモーテルの管理人ボビーはいつも厳しくも優しく見守っている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく—

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」に投稿された感想・評価

安モーテルに住む6歳の女の子ムーニーを取り巻く環境を描いた映画。ムーニーは母親とその日暮らしの貧しい生活をしながらも、モーテルの管理人にちょっかいを出したり友達と遊んだりして楽しい日々を堪能していた。しかし、ある事件を起点に、ムーニーと母親は更に貧しい生活を強いられるようになる。

そもそも貧乏なのは母親がまともに働くのが嫌で変な仕事ばっかりしてるから。それに加えて人当たりが強く、ムーニーよりも子供なんじゃないかと思ってしまうほどの態度の悪さを見せる。ムーニーには優しいが。
ただ、ムーニーも母親の巻き添えを食らうことになる。途中まであんなキャピキャピだった女の子が涙を見せることになる。

それからどうなるか。正直言ってあまり予測できなかったラストになる。ただここで言えるのは、ムーニーが最後まで腐らず周りの人々に何か恵みを与え続けてたからこそ、このラストになったのだと思う。

色々書きましたが、楽しい映画です。
色使いや、度々出てくる特殊なレンズで撮られた映像(パノラマっぽい)が面白く、印象に残った。
U子

U子の感想・評価

3.9
めっちゃよかった。
ディズニーランドのそばにあるモーテル。
貧しく若いシングルマザー。
子供を虐待するなどはなく、
とても愛していて、でも現実の問題がそこにある。生きていくこと、抜け出せない貧困。
子供たちが生き生きしていて、芝居ではないかのように自然。子供の頃のことを思い出してしまう。
子供を背負うシーンや、子供を嫌う男とは付き合わないなど、ヘイリーのルールで、ムーニーを愛してるのが伝わってくる。
しかし。更生して、まじめになって働くということにはならない。
苦しみもがいて、安易な方へ走ってしまった。それを責めることは簡単だが、そんな単純な問題ではない。
ラストで、ムーニーが友達の前で、初めて子供らしく泣くシーンで、私も泣きそうになった。生意気な大人顔負けのムーニーが幼い子供に過ぎないという、当たり前のことを目の当たりにして。
走り出す二人の少女。行き着いた先にそびえ立つディズニーランドのお城。
夢の国のすぐそばに、こんな現実。
なんとも皮肉。

あざとさがなく、ドキュメンタリーのようで、最後まで集中して観れた。
今年のベスト作品に入ることは間違いなさそう。
楽に見れるしんどい映画

冒頭からいきなり下品。(褒めてる)子供が唾吐きまくる。そんな子供たちの無邪気な言動はとても演技には見えず素晴らしく、ニヤニヤと笑いながら見れた。

そんな笑える展開とは裏腹にアメリカの貧困層の現実をまじまじと見せられるのが少ししんどい。そんなしんどい描写の中にも僅かな希望が描かれているのが印象的だった。

なかなか良い作品だったが、メリハリがないと言うか、話の進行具合が遅いのが気になった。
「ハッピーエンドを越えたマジカルエンド」って、、確かにそうかもしれないけれど、魔法とか奇跡なんて体裁の良いもんじゃなく、まじないとか呪いと言った方がいいものを観客に残すんじゃないかな、これは、、。
それぐらい重い一発をお見舞いしてくる、かわいい外見とは裏腹に凶暴な映画。

夢と魔法の王国のすぐ隣では暗黒の現実が口を開いて待っている。
もはや虚構の世界(映画)の中ですら其れには抗えない。観客の淡い希望を「敢えて」嘲笑うかの様な挑発的な本作のエンディングは、それでも、人間の可能性や観客への信頼をまだ諦めていない監督の問い掛けの様に思う。

Wデフォー演じるモーテルの管理人がとても良いのですが、彼はまさに観客の分身。日々の営みの中で現実と良心の狭間で揺れ動いている我々自身の。
出来る限りの心配りを絶やすことは無いけれど、決定的で残酷なリアルの前では、力無き傍観者でしかないのか?

なんだか、とっても暗い映画の様な書き出しになってしまったけれど、本編のほとんどは御転婆、というほどお行儀は良くない贔屓目抜きでもク◯ガキのムーニーや子供達の視線で語られる「ひと夏の冒険譚」として、とっても楽しい。とにかく子供達の演出が素晴らしい。演出?なのか?もはや演技じゃない。あの年頃の子供って、ただ歩いてるだけでも、せわしないし、訳わからないじゃないですか?ホントそのまんま。カメラも彼女達の視線に寄り添ってて、そんな忘れ去ってしまったけれど誰でも確かにあったあの頃に観客をタイムスリップさせてくれる。
そして、だからこそ、並行して語られる「大人の世界」(この場合、本当の世界と言うべきか)の容赦無さ、寄る辺無さが浮き彫りになるという、、、

貧困や社会不適合を自己責任と断罪し、無関心無関係を装う様な風潮は、ここ日本だけでなく世界の至る所で表面化している、今そこにある危機。心ある映画作家達が符合する題材を取り上げて警告を発している。
虚構は無力かもしれないけれど、それに触れた私たちは無力ではいられない、そう信じたい。
良かった。子供がとにかくウザくてパワーがすごい。とても可愛く、だからこそ切なかった。ラストは問答無用で涙搾取する感があるが、でもそれはそれのそれ自体のパワーであって…とかいろいろ考えた
Fuzzzzy

Fuzzzzyの感想・評価

4.1
リアリティがあって好きな
作品だったな。
子供達のあどけなさと奔放さ、
それを助長するかのカラフルな映像。
きれいに見える世界に相反する、
未来への不安みたいなものが
漏れてきていた。
ブリア・ヴィネイトが映画初めてとは
思えなかったな〜。
Junpei

Junpeiの感想・評価

4.4

このレビューはネタバレを含みます

是非とも万引き家族と合わせて観たい映画。これが貧困の現実である。彼女たちの日常は辛く苦しい事ばかりではなく、笑いや楽しみもある。本来彼女達を救うのは国であり、福祉である。それが機能してない現在、彼女達の救いとなるのはボビーのような優しく、思いやりのある人々である。万引き家族をまだ観てないから何とも言えないが、彼女達のような人々行いや生活は決して美化したり正当化することは出来ない。貧困故の犯罪や子供の行いでも周りで被害を受けた人もいる。しかし彼女達も好き好んで貧困になった訳でなく、あのような生活をしているわけではない。そういった彼女達を救えるのは周りの人達だけである。
そして今作では特に大人達に翻弄された子供の視点から描かれていた。最後のマジカルエンドは子供達なりの反抗なのかもしれない。
大人たちは子供を守っているつもりでも、大人の問題を包み込む子供の無邪気さに助けられている作品になっているのがグッとくる。

登場人物全員が子供たちに暖かい眼差しを向けている点はなんて優しいんだろうと。その優しさは子供を守っている“つもり”の大人たちの滑稽さを強調していて、同時にリアルである。

クセの強い人たちが多く出ているように見えるけれど、よく考えたらほとんどはリアルにいそうな普通の人たちですよね。説明がほとんどないまま自然にクセを感じ取れるほどにさりげない人物描写が良い。だから没入感が高めになる。本当に生活水準が痛々しいと思えるし、イラつく大人にはイラつくし、守りたい子は守りたい。ぐぬぬ...と歯軋りさえする。

作品自体の技術も良いなと思う。単純にカメラワークの構図と台割が美しくて、ずっと浸っていたい世界観だった。本作のクセの強さはラストだろう。ここだけ映像のテイストが変わるのも面白い。この映像で想像力を膨らませろという事かな。

子供時代に家庭環境によって孤独を感じたことがある人なら、その痛さも強くなるし、だけどそれでも楽しかったはずで、その己の“無邪気さ”の無邪気レベルは満ち足りていたかをも問いただしてくるのだ。
saiki

saikiの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ショーンベイカーの映画は好き嫌いが分かれる。
おれは嫌いな方。生理的に無理。

タンジェリンもそうだったけど、ショーンベイカー映画は最初の30分とかは超退屈なんだよね。
今回は特にコレと言ったストーリーラインがあるわけじゃないし、主人公の劇的欲求も現れないから、この映画の雰囲気が好きじゃなきゃ無理。

ショーンベイカー映画って、ケバくて、下品で、嫌な人間ばっかでてくる。
でもその嫌な人間を悪と描くんじゃなくて、多面的な人間として描いていくから、今回の母親も最悪だけど、でも子供を愛し、子供にも愛される良い母親でもあるし、
子供も、人様のクルマに唾吐いて暴言吐くような奴だけど、やはりまだ子供で何もわかっておらず、貧困の中で育ってしまってドンマイって事で同情の余地ありだし。

ラストは、「は?だせー」って感じだった。貧困層で育った子供たちが不条理な大人の世界から逃れ文字通り夢の国へ。。
てか?ドヤ顔してんじゃねー。
って思ったけど、
まぁこれがフロリダのプロジェクトなんだな。。

ウィレムデフォーのアカデミー賞助演男優賞ノミネートは意味わかんない。
ウィレムデフォー大好きだけど、今作は全然ウィレムデフォーの良さが出た映画じなないでしょ。
むしろあのお母さんと娘に主演女優賞でしょ。
ラスト、映画の魔法にかかった。
決して乱闘続きの映画ではないが、少年少女に現実の不条理を突きつけられドッと疲れた。
善か悪かで片付けられないウィリアムデフォーの役柄、立ち位置もリアルで生々しかった。
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