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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のmomichibaのレビュー・感想・評価

3.5
映像が美しく、役者がみんなうまい
特に主演の子供の天真爛漫さが弾けるような演技を、しっかり映像に収めているのが素晴らしい
本人の素質ももちろんあるが、子役が活きるかどうかは監督にかかっているところが一番大きいはずなので、監督が素晴らしいということだと思う

アメリカの下層シングルマザーとその子供たちの現実を忠実に描いていながら、パステルカラーのフロリダの街を舞台にしたことで映像が明るく美しい、また登場人物の楽観的なキャラクター、良識と思いやりのあるモーテルのオーナー(デフォー)の存在を置くことで、暗黒と苦渋の世界に陥らずに作品を仕上げている

経済的に苦しかったり親が無学でも、“自由”な家庭環境では、子供たちはそれなりに楽しく暮らしているんだなぁ、とその世界を垣間見る。
子供の純粋さが光る映像作品ではあるけれど、社会の制約に縛られ過ぎた観客には、感覚を逆撫でる言葉や甲高い声、この奔放すぎて下品すぎる子供とそのシングルマザーの言動に終始苛立ち不快感を感じてしまった
この母親が変わらないと、この子の行く末もすでに見えている 思い出すとまたイラつく
ラストの友達の部屋のドアでの子役の演技だけは受け止めることができた
良い作品だとは思うけれど、もう一度観るのはイヤだなぁ…
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