そりっどあいぼりー

イカロスのそりっどあいぼりーのレビュー・感想・評価

イカロス(2017年製作の映画)
5.0
最初にジョージオーウェルの1984が引用される。

”偽りがまかり通る世の中で、真実を伝えることが革命的行動となる”

オートレースの試合でどうやればドーピング検査をすり抜けられるかという実験から始まるこの映画だが、最初の目的とは全く違った形で国家規模の陰謀に巻き込まれていくというドキュメンタリーの中でも特別に奇跡的な経過を辿った作品の一つ。ロシアがどれだけ"ビッグブラザー"的社会で、二重思考をしているのか、それをはっきりとした証拠を突きつけながら明らかにしていく...本当に劇映画かと思うような驚異的な展開に打ちのめされて、恐怖を感じる。こんな陰謀論的なことが現実に行われているという、嘘のような真実に奇妙な興奮さえ覚えた。おそらく、華氏911やゆきゆきて進軍、アクトオブキリングなどと同じく、今後ドキュメンタリー映画の傑作として語り継がれることだろう。