ナカムラ

スリー・ビルボードのナカムラのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
5.0
事前情報を仕入れず、アカデミーノミネート作ということで観に行ってみたら、トンデモナイもん観た!とひっくり返った。
間違いなく面白い、面白いが、今まで味わったことないような視聴感で、どう表現すればいいのか言語化出来ない感じ。
それでも一言で言うと「すごい迷勝負を観た」というような感想。

主人公が思いもよらない強烈な一手を打つ、その結果、盤上盤外がとにかく混迷していく。カオス。
所々、まともな道筋に戻りそうになるチャンスもあるのだが、ことごとく、また思わぬ一手により斜め上の方向へ進んでいく。
終盤は、「あ!そんな綺麗な形に収束するんだ!!」と一瞬思うのだが…これもまたハズされて、いやー…たまらなかったですね。

娘を殺された悲劇の母親、となると観てて応援したくなりそうだが、この主人公が中々にクソ、というキャラ設定からして、なんかもう、凄い。
時々笑いが起きてしまうような、ブラックなユーモアがあるのも楽しい。

凄まじい個性を放つ傑作でした。
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