映画の道化師KEN

ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡の映画の道化師KENのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

自然の猛威が牙を剥く…

監督は「マンイーター」のグレッグ・マクリーン。主演は「ハリーポッターシリーズ」のダニエル・ラドクリフ。加えて、「キングコング(2005)」のトーマス・クレッチマン、「クロニクル」のアレックス・ラッセルらが共演!

3年間の兵役を終え、刺激を求めて旅を続けるバックパッカーの青年ヨッシー。ボリビアのジャングル奥地にある秘境を目指して旅立った彼は友人2人やガイドとともに険しいジャングルを進んでいくがやがてグループ内で意見が対立し、4人は二手に別れて行動することに。さらにトラブルが発生し、ヨッシーは危険なジャングルの中でひとりきりになってしまう。野生生物や自然の脅威にさらされ、肉体的にも精神的にも追い詰められていくヨッシーだったが…。

ボリビアのジャングルでの遭難体験をつづったヨッシー・ギンズバーグの著書「JUNGLE」を元に実写化。ダニエル・ラドクリフが主演ということで物語の主人公としては役不足ではないかと心配したが以外とハマり役になっていたので問題なく鑑賞することが出来た。

さて、本作の見所は自然を舐めきった若者がジャングルの猛威に翻弄され、衰弱し、ゲテモノブランチを食べまくる部分にある。劇中の前半では4人の友人達と仲睦まじい友情シーンを展開していくのだが、中盤あたりで仲違いが起き、サバイバルに慣れた友人と別れ、素人同然の友人と2人っきりで川下りクルーズにナメプで挑戦することになるのだが、あっさりフラグを回収して主人公ヨッシーの危険に満ちたリアルソロブートキャンプが展開される。そこからは鳥の卵が孵化する前の雛にかぶりついて珍味を堪能したり、額から毛を引き抜くような感じで寄生虫を抜きとったり、薬物依存者のように幻覚と幻聴に苛まれながらジャングルを歩き続けるなどのサバイバル生活が、ハリーポッターのラドクリフを痩せこけた原始人ハグリッドに変貌させていく…

もう勘弁してやってほしいと観賞者に言わしめるほどラドクリフの悲痛と苦痛がスクリーンから生々しく滲み出てくるのでトラウマになるのは必須。だが、リアルを追求したサバイバルの演出は生きて帰ることに執念を燃やしたヨッシーの思いを感じとりやすくなっていて、目が離せない緊迫感が観ている人を飽きさせない。

総評的な感想としてはかなりの良作である。ハリーポッターシリーズ以降、あまりパッとしなくなっていたラドクリフが生々と主演に復帰していたのは中々嬉しく思える作品なので興味のある方は是非!