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さらば青春、されど青春。のkamicoのネタバレレビュー・内容・結末

さらば青春、されど青春。(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

上京経験があるだけで感じ方が変わるのかなと思います。

決して衝撃的なシーンがあるわけでもないのに、主人公の姿が自分の経験と重なり静かに泣けました。

怪しさの感じやすい世界を平凡な日常と掛け合わせていましたが、誇張したり不自然に力んだりすることなく平凡さを保ちながら進んでいく構成に驚きました。メッセージ性の受け取りやすい作品なので、ゆっくりと自身を振り返る余裕がありました。

主人公のをとりまく人間関係もリアルさと理想とをみせてくれています。特に、学生時代の2人の友人の人間性が素晴らしい!あんな風に、友人のために行動を起こし付き合い続けられるような関係性には憧れてしまいます。素直さゆえの主人公の発言で、離れていく友人だっているだろうに、それを含めて口には出せずとも知らず知らずに尊敬信頼しあっていたのだと思います。

そして、田舎者の私は東京に染まるとか染まらないとかではなくて負けたんだと思いました。今までの自身の姿を“悔い改めよ”とキリストに言われたかのような気持ちです。大学の試験で出会ったそのことばが、おもいだされました。懐かしくもあり、自分はあの日と何も変わっていないのだと脱力感もあります。最終的には自身の心と向き合い打ち勝つ主人公の姿に、背中を押された気分です!



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