福福吉吉

カオス・ウォーキングの福福吉吉のレビュー・感想・評価

カオス・ウォーキング(2021年製作の映画)
2.5
◆あらすじ◆
西暦2257年、新世界と呼ばれる惑星では考えが全て「ノイズ」として出てしまうようになっていた。町で一番の若者のトッドは日々の暮らしにうんざりしながらもノイズを操ろうとしていた。そんなある日、墜落した宇宙船を発見され、トッドは唯一の生存者の女性、ヴァイオラに出会う。ヴァイオラに心を惹かれたトッドは彼女を守ろうとするのだが...。

◆感想◆
地球の環境が悪化し、新しい惑星「新世界」に入植した人々の生活とともにその隠された歴史を新世界で生まれた青年トッド(トム・ホランド)を通じて明らかになっていく作品になっており、この作品の肝である「ノイズ」の存在が本作を特別なものにしていました。

トッド・ヒューイットは幼い頃に母を失い、女性のいない町で育った青年で、農作業に励む生活に嫌気がさし、英雄視される町の首長のプレンティス(マッツ・ミケルセン)に認められようとする姿は子供そのものでした。そんな彼が初めて出会った女性ヴァイオラに衝撃を受けて、彼女を守ろうとします。いわゆる「恋」なんですが、トッドの考えはノイズとして相手にすぐわかるため、ヴァイオラにも距離をとられます。思春期の男性を殺す惑星だと思いました。トッドの考えはとても幼い恋で可愛らしいです。

一方、ヴァイオラ(デイジー・リドリー)は地球からやってきた宇宙船の乗組員であり、墜落したために宇宙船の母船に連絡を取ろうとします。彼女の内面などあまり描かれていないため、キャラクターとして掴みづらかったです。

プレンティスはヴァイオラを捕まえようとしますが、それをトッドが救い、トッドとヴァイオラは町から逃亡します。トッドが暮らしてきた町の歪さ、異常さが町を出たことで次々と明らかになっていき、そこから本作は楽しくなってきました。

本作の肝である「ノイズ」は前述のとおり、考えていること、思っていることが外部に現れてしまう現象であり、男性にしかなく女性にはノイズが発生しない特性があります。これがストーリーの根幹のところで大きく関わっていて、納得しました。

残念なところは謎が数多く残っており、本作では何も解決しないところだと思います。ストーリー展開として、ただ最後まで何もせず駆け抜けてしまったような印象を受けました。

面白そうな要素はありますが、それを活かしきれず終わった感じがしました。楽しい部分もありますが、全体としては可もなく不可もなくと言った感じでした。

鑑賞日:2024年2月15日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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