スコット

ネットワークのスコットのレビュー・感想・評価

ネットワーク(1976年製作の映画)
3.0
この時代で既にこのような映画が作られたのは凄いけれど、全体的に大げさすぎる。この映画自体が、暴走するメディアやテレビ業界人を擬人化した壮大な皮肉だと解釈しても、やはりこの作品の過剰な演出は思わず苦笑してしまう。人間が狂気と化していく過程も雑で、あれだけ実直な人間がほとんど説明もないまま次の場面では”狂ったテレビ業界人”になるのも、違和感が強く残った。

そして、更迭した人間・クリステンセンと更迭された人間・シューマッカーがなぜか険悪な仲にはならず、不倫関係に陥る過程の描写は雑で理由も弱い。むしろクリステンセンと、彼女の上司であるハケットと不倫するほうが自然な流れであったと思う。

でも、あの”マシンガンで乱射ラスト”は完璧。地味な作品なので知名度が低いが、これほどのシーンが”映画史に残る名シーン”として知られていないのは少し寂しい。
スコット

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