まつこ

METライブビューイング2017-18 モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」のまつこのレビュー・感想・評価

3.7
初演1790年 モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」ウィーン/ブルク劇場
演出家 ・フェリム・マクダーモット

二組のカップルの彼氏が入れ替わり恋人の貞淑さを試す物語。なんてことするんだ!な気持ちでいっぱい。「コジ・ファン・トゥッテ!(女はこういうもの)人の心は留まらない、どの女もそうなんだからそんなことは理解しておいてね〜!」と言われても『うーん😅』ってなりますね。騙された姉妹が不憫でなりません。でも劇中の歌にあるようにたった一日で恋心が変わるのも真実。モヤモヤする脚本は古典だから仕方ないのですがアレン爺様が撮ってくれたらもっと『ぷぷぷ』と笑えそうだなぁと思いました。(舞台がコニーアイランドに変わっているからケイトを思い出しました)

見所のひとつはケリーオハラが出演していること。歌い踊る姿を見られて満足でしたが血管が切れそうなほど真っ赤になる姿には少しハラハラしました。渡辺謙との舞台では伸び伸びコメディエンヌっぷりを発揮されていたのでオペラって大変なんだなぁと改めて思いました。(同じ人間と思えない音にただただ驚いて感動するもんな〜😌)

個人的にはセレーナ・マルフィ(妹)の表現が好きでした。成り行きに任せる奔放さが歌だけでなく表情や身のこなしにも現れていて見ているのが楽しかったです。

今回も舞台が豪華でしたねー!「グレイテストショーマン」的なサーカス団が舞台に彩りを添えていました。剣や炎を飲んだりするオペラってー!開幕までのやりとりも掴みもバッチリ👌

私自身は全くオペラ歌手に詳しくないし、演目は知っていても見たことがない作品も多く、建築が好きだから旅先の劇場でやっていたらオペラを見るぐらいのニカワモノなのですが、なんとなくMETのライブビューイングを見始めたら楽しくて最近は映画の合間にボチボチ手を出しています。お陰でMETがグッと近くなりました。しばらくは旅行もできそうにないので劇場が再開したら観に行こうかな〜と思います。

memo
ラクロ原作「危険な関係」(台本・ポンテ)の影響を受けて作曲。貴族の戯れ全盛期の18世紀→1950年代のアメリカNY郊外(コニーアイランド)設定変更。気持ちの変化は重唱で表現。
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