サメ映画でおなじみのアサイラム製作のビデオスルー作品なので期待してなかったけどなにげに楽しかった。

マレーシアの伝統武術プンチャック・シラットの達人でマルチアーティストのセシリー・フェイ姐さんを追いかけての３作目。2011年製作だから「ウォリアレス（2012）」「レディブレイド（2018）」より前になる。後の2作はセルフプロデュースの主演だったけど今作は主役陣リーダーのハゲ親父をサポートする役でロールの順番は2番目だ。結果としてこれが良かった気がする。姐さんやっぱ主役をやるにはタッパが足りない。

十字軍崩れの御一行７名様、遠征が終わって落武者狩りを逃れつつ故郷に帰る道すがらで悪い輩に襲われる魔女見習いの女の子を助けるが、女の子のウッカリで彼らに「心に悪が芽生えるとドラゴンになってしまう」呪いがかかってしまう。呪いを解くためには呪いの大元であるブラックドラゴンを倒さねばだ。全員ドラゴンになる前に女の子を守りつつブラックドラゴンを倒しに行くぜ！という話。仲間の中でも悪そうな顔のやつからドラゴンになってしまいグワーッとかいって襲ってくる辺りゾンビ物っぽくもあって面白い。ちなみ呪いを解く方法についてもブラックドラゴンを倒す以外に方法があるのがちょっとしたツイストで、それが心の清いやつはドラゴンになりにくいという呪いの設定とうまく絡めてあって面白かった。

序盤から鼻歌歌いつつ妖しげな笑みをうかべて登場のセシリー姐さんは剣使いのアサシンで、たまたまその場にいただけだけど義侠心から一同と同行、「アンタ等全員ドラゴンになったら皆殺しにしてアタイが女の子を守るからね！」的なやつだ。めっちゃもうけ役ですやん👍剣はほぼ盾として使い打撃で敵を倒す姐さんは相変わらずカッコよかった。

十字軍崩れの中でナンバー2の弓使いのハゲ（パーティにハゲが2人もいるのどうなのよ）、道中へらず口ばっかだけど戦闘になると一番有能という「ナバロンの嵐」でのエドワード・フォックスの役回り。追いかけてくるドラゴンから馬で逃げながら真後ろに弓を射てドラゴンを撃破する！（クール！）火薬を使ってお手製グレネードで人もドラゴンもふっとばす！（豪快！）矢がなくなったらイヤイヤながら剣でも戦う！（真面目！）戦いが終わって弓をクルクルっと回して納めるのもカッコいい。

ドラゴンのCGはもちろんヘボいけど「これはモデルアニメだ」と自分を騙せれば造形も動きも味わい深く感じられた。推しの作品だからというひいき目も勿論あるけど、そーいうひいき目も映画を楽しく見るコツかと。