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判決、ふたつの希望のsakiのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.4
原題は「THE INSULT」。「侮辱」なんですね。こちらの方がネタバレにもならないし内容に即しています。日本向けじゃない等の傾向も察しつつ。

当事者そっちのけで話が大きくなっていく様は、正に、あるある…。そこを突き詰め過ぎるとあるあるが過ぎてうんざりもしそうな所、程よい按配にまとめてくれた作品。

人は皆それぞれ培った背景があった上でその人になる。
国という大きなものも、また然りながら。
相手に憤りを感じる事。己の矜恃の在り処。
相手を一人間、個人としてみる事。知ろうとする事。知ろうとした時さえ全てを知る事などあり得ず。

それでも結局、誰だって、カッとなる事はあるわけで。
何もかも呑み込んで黙る事が正しいというわけでもない。
ただ、正しい背負っていたものは、いつから、何処からだったのか。

主人公二人は、仕事熱心で頑固な所は似ている。
タイプこそ違えど、少し生まれた場所が違えば、或いは友達になれたのかもしれない。
須くifに結果は無く、そこにいる今、こそがその人、でしかないのだけれど。

娘が亡くなっていたらもっと拗れてはいたのでしょうね…。運でしかない分かれ目。それもまた、何にでも当て嵌まる普遍。
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