予想よりも、明るいシーンは少なかった。
子役の表情がとてもリアル。
特に無言で見つめる表情が。
私の感覚では北欧映画に似た雰囲気。
心に残ったセリフ:
フリダ『(私 家族に) きらわれてるもん』
アナ『私は好きだよ』
見ていて危なっかしい。
こんな事をしたら怪我をする、
こんな事をしたら怒られる、
見ていてそわそわしてしまった。
フリダは、義父がアナを可愛がる時に決まって羨ましがる表情で2人を見つめる。
義母に対しても、心の距離が感じられる。
両親は平等の愛を与えてるつもりでも、
子どもにとってはどちらかに偏って感じてしまうもの。
況してや実親ではないと余計に差を感じてしまうだろう。
その上、フリダが怪我をし血を出した時には友達の親が、
『フリダは病気だから触るな』、
フリダがアナを森に置いてきぼりにした時には義母が『あの子には良心がない』。
子どもは、周りが思っている以上に
親のことを見ているし、案外平気なフリもするもの。
本当は自分で靴紐を結べるけど、結べないっていうし、前髪が気になってて不機嫌なわけじゃないのに、前髪が気になるって言ってみたり。
かまってほしいもん、寂しいし、愛情ほしいし。
両親のことを愛してるし、
自分も愛されたいのだ。
( マリア像?の近くにタバコを置いてみたり、スカーフを置いてみたり)
アナに対して人形に触るなと言ったり、
森の中に置いてきぼりにする言動を取るのは親からの愛情をたくさん受け、嫉妬しているのだと思う。
終盤の義父とアナの3人で、ベッドで遊んでて何故か涙が溢れてしまうシーンでは、
ふと実親との思い出を思い出してしまったのではないか。
前日の夜には、家を抜け出して
『暗いから明日にする』といって帰ってきたけれど、やっぱり自分の家族、家が恋しい。
時間が経つにつれて、笑顔が増えていってよかった。
そして、泣くことのなかったフリダが''家族''に涙を見せれるようになってよかった。
終わり方が唐突だったけれど、あの終わり方で良かったのかもしれない。
側から見たら本当の家族になってきているように見えても、きっとフリダの心の悲しみが消えることはないのだろう。