MASKMAN

モリのいる場所のMASKMANのレビュー・感想・評価

モリのいる場所(2018年製作の映画)
4.0
沖田修一監督が山崎努さんを遊ぶ映画。

なんという破壊力。
ホームドラマにしたくもなく、生と死を伝えすぎもせず、山崎努の少しどこかコメディ感ある所を上手く引き出し、樹木希林さんの支えで重みと深みを演出する。

こんな老後でいたいと思うような映画でした。

「俺は、何度でも生きるよ。今だって長く生きたい」
「そうですか」
「生きるのが好きなんだ」
「ああ、そうですか」
と台本はここまでだが、
「長く生きましたねぇ。うちの子達は早く死んじゃって」
と樹木希林がアドリブで最後言う。

この一言、この言い方、この言葉選びで沖田修一監督はそれまでとトーンの違う2人の人生が滲み出てきました。との発言。

作品の事を役者も考え、さらに作品を良くしていく。素晴らしいバランスの映画でした。
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