ラール

諜報員ジャック・モルナールのラールのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

理想に燃える共産主義者だった青年が空虚な暗殺者へと変わり果てていく過程がスリリングに描かれ、とても面白かった。
本作の主人公であるソ連の諜報員ラモン・メルカデルは、ジャック・モルナールという偽名を用いてレフ・トロツキーに近づき、彼の暗殺を試みるものの、周囲の人々からは疑いの目を向けられ、自分でも任務に疑問を持ち始める。
結局は、ソ連の手先として任務を遂行したものの、捕まった後にひたすら偽の名前と偽の人生を供述するメルカデルの姿は、とても空虚だった。
後味の悪い終わり方だったが、一人の青年の悲劇が上手く描かれていたと思う。
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