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あさがおと加瀬さん。のEegikのネタバレレビュー・内容・結末

あさがおと加瀬さん。(2017年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

昨日みた『フラグタイム』に続いて佐藤監督のGLアニメ作品を鑑賞。

のっとふぉーみーに尽きる。のっとふぉーみーで尽きさせてしまうことは恥ずべきだという信念があるので尽きさせないけど。

まったく好みではない関係のカップルの平板なイチャイチャをずっと見せられて苦痛だった。これならまだストーリーに起伏があった『フラグタイム』のほうがマシ。
加瀬さんみたいな、美人で人気者でカッコいいけど主人公の「私」だけにはヨワヨワでデレデレな照れ顔を見せてくれる……系のヒロインがめっちゃ嫌い。アニメキャラの「照れ顔」が地雷なのかもしれない。主人公の造形も苦手。こういっては差別的かもしれないが、少女漫画の主人公をそのまま持ってきたような感じなのが……。

こういう少女たちの煌めくような初々しい関係の描写を、自分のようなシスヘテロ男性が「尊い」とか、あまつさえ「てぇてぇ」とか言うことにどうも忌避感を覚える。もちろんGL作品の視聴者はシスヘテロ男性だけではないけれど、キスや、それ以上を望む彼女たちの若々しい感情や仕草をこうして見せられるのは、見かけの美しさ・儚さとは裏腹に、かなり下品だなぁと思ってしまう。

作画や水彩調の美術は『フラグタイム』よりずっと良かった。
これ舞台どこなんだ。最後の新幹線で「新大阪・東京方面」とアナウンスしてたから中国地方(山陽)か九州だけどぜんぜん訛ってなかったしなぁ。。 OP映像の山を後景にした勾配のある街並みから、兵庫・岡山・広島あたりなのかなと予想する。
あと、修学旅行での沖縄の描写が、由布島・竹富島・国際通り・美ら海水族館・謎の白浜ビーチ・お土産屋……と、観光客の想像する幻想の「沖縄」のコラージュでしかなくて、こいつらは一体沖縄のどこにいるんや……と困惑した。
このように、全体的に地理設定、「距離」のリアリティが希薄であって、それは意図的なものなのかもしれないけど、最終的に東京進学による離れ離れ、というテーマを扱う上ではマイナスに働いていると思う。


映画だと思ってたから、全3話のOVAで、各話にOP(歌なし曲)とED(無音スタッフロール)が流れてびっくりした。だいたいどの話でも最後のほうに、静かめのやや不穏な空気が流れるシーンから主人公が走って加瀬さんに駆け寄って抱き合ってキスして終了、という様式美の展開だからマジで虚無。最終話の抱きつき新幹線ボッシュートはギャグとして秀逸だったけど。

花言葉はこの世でいちばん廃れてほしいほどしょうもない概念だと思っている(この概念がいちばん花から豊かさを奪っていると思う)ので、おもいきりそれに寄りかかってしまった本作も同じくらいしょうもないものだと最後に答え合わせがされて、ある意味で腑に落ちて安心した。
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